4月 | 正の数,負の数,分数の計算 |
5月 | 指数の計算,整式の加法・減法 |
6月 | 整式の乗法・除法 |
7月 | 平方根の計算 |
8月 | 式の値(代入計算) |
9月 | 等式の変形(1次方程式),連立方程式 |
10月 | 因数分解,2次方程式 |
11月 | 三角比の定義 |
12月 | 三角比の相互関係 |
1月 | 図形の計量(正弦定理・余弦定理) |
2月 | 図形の計量(正弦定理・余弦定理) |
3月 | 図形の計量(正弦定理・余弦定理) |
つまり,最初の半年間は中学範囲の計算問題の復習である.私は昨年度,1年生の商業クラスの数学を担当した.4学科中もっともできるクラスといわれていたが,連立方程式の出来が悪く,中間テストではほとんど正解している者はいなかった.
2元1次連立方程式の計算は
というような手順であるが,これが彼らにはあまりにも面倒であって,最後までたどりつけないというのが現状である.その原因としては移項,代入,両辺を○倍するなどの文字式,方程式に特有の手順が十分に身についていないという点も挙げられるが,小学校の算数の計算が満足にできていない者もいるということは見逃せない事実である.
私は数学の教員でいる以上,できることなら生徒たちには微分,積分を理解して卒業してもらいたいと思っている.これはあくまでも理解してくれたらなぁという私の願望である.実際,微分,積分を知らなくても世の中生きていくことはできるのだから,別にそれでもかまわないのである.ところが,算数レベルの四則計算ができないとなると話は違ってくる.生活するうえで支障をきたしてしまうからだ.私は四則計算を彼らにできるようにさせることは願望のレベルではなく,義務のレベルだと感じている.そのため私は今年の1年生には,連立方程式をCramerの定理で計算させようと考えた.このレポートでは,まず生徒の学力を報告し,どのようにしてCramerの定理を導入したか紹介したいと思う.
ちなみに私が受け持つクラスの入試の平均点は60点満点で14.0点(23.3%)であった.
(例) i.e.
とおき,A の第1列,および第2列を で置き換えた行列式をそれぞれ Δx , Δy とおく.
となるから,……(答)
※ 中間考査の結果について
先日行われた中間考査で連立方程式の計算を3題出題した.そのうちの1題は4月入学直後の課題テストで出題した連立方程式の問題とまったく同じ数値にした.この表は課題テストと中間考査に共通に出題された問題に限定して,各生徒の得点(5点満点)を比較したものである.今回の考査でCramerの定理で解いた者は12名,加減法で解いた者は4名,答だけ書いてあって解き方が不明の者は2名,白紙の者は6名であった.
(問題)
(4月の課題テストの採点基準)
(10月の中間考査の採点基準)
(注) |