研究の動機
「実係数の2次方程式の解は虚数解のときは共役な2数なのに実数解のときそうでないのはなぜか」という質問をされた
以下では
z=ax2+bx+c=0 (a≠0)
また、
x→x+yi,z→z+wi x,y,z,w∈R
とおきかえる
すると、この2次関数は
(x,y)→(z,w)
という対応だから、グラフは4次元の図形になる
それを視覚的に表わすことには無理があるので
z=f(x,y), w=g(x,y)
のグラフをを別々に描いてみる
2次方程式
ax2+bx+c=0
の解は、z=0 かつ w=0 となるような(x,y)である
そのような点(x,y)は2つのグラフを照合すればわかるであろう
(1) x2−4x+5=0 虚数解の場合
z=Re[(x+y I)^2-4 (x+y I)+5] Plot3D[z,{x,0,4},{y,-4,4}, PlotRange->{0,5},PlotPoints->50, ClipFill->None,AxesLabel->{"x","y","z"}];
w=Im[(x+y I)^2-4 (x+y I)+5] Plot3D[w,{x,0,4},{y,-4,4}, PlotRange->{0,5},PlotPoints->50, ClipFill->None,AxesLabel->{"x","y","w"}];
(2) x2−4x+4=0 重解の場合
z=Re[(x+y I)^2-4 (x+y I)+4] Plot3D[z,{x,0,4},{y,-4,4}, PlotRange->{0,5},PlotPoints->60, ClipFill->None,AxesLabel->{"x","y","z"}];
w=Im[(x+y I)^2-4 (x+y I)+4] Plot3D[w,{x,0,4},{y,-4,4}, PlotRange->{0,5},PlotPoints->50, ClipFill->None,AxesLabel->{"x","y","w"}];
(3) x2−4x+3=0 異なる2つの実数解の場合
z=Re[(x+y I)^2-4 (x+y I)+3] Plot3D[z,{x,-1,5},{y,-4,4}, PlotRange->{0,5},PlotPoints->50, ClipFill->None,AxesLabel->{"x","y","z"}];
w=Im[(x+y I)^2-4 (x+y I)+3] Plot3D[w,{x,-1,5},{y,-4,4}, PlotRange->{0,5},PlotPoints->50, ClipFill->None,AxesLabel->{"x","y","w"}];
以上のことから、2次方程式の解は
x−y平面上における双曲線と 2直線の交点(重解の場合は、2直線と 2直線の交点)であるようだ
一般的な説明
z=ax2−ay2+bx+C より
・・・(a) 双曲線
w=(2ax+b)y=0 より
・・・(b) 2直線
つまり2つの図形 (a),(b)の交点が解である