「数学基礎」「数学検定」へ向けて

北海道標津高等学校  平澤 淳一

 今年度から勤務している標津高等学校は、全日制普通科2間口で全校生徒166人(5月1日現在)です。私は主に1学年(54人)を担当しています。今年度の入学生の入試点数を見ると「最高点46点」「最低点6点」「平均点21,3点」ということで、私にとっては前任校の札幌南陵高校と同じような感覚で授業をすることができています。
 新教育課程の実施にともない、標津高校のカリキュラムも大幅に変化しています。その中で来年度から実施となる「数学基礎」について数学科で検討してみました。

【1】「数学基礎」の実施に向けて

 本校数学科では、下記のようなカリキュラムを組んでいます。

○表1【平成16年度学年別教育課程表】
科目名 標準単位 1年生 2年生 標準単位 3年生
(共通) (選択) (共通) (選択)
数学基礎 2            
数学T 3 4     4    
数学U 4   3   3 3  
数学V 3       3    
数学A 2     B 2    
数学B 2       2    
数学C 2       2    

 現2年生(平成15年度入学生)から「数学T」の標準単位が3単位に減少しましたが、本校では4単位のままとし計算演習等の時間を多くとるという方針でやってきました。(表1・2参照)また同様の理由で、2・3年次についても「数学U」を標準の4単位より多い5単位(3+2単位)としています。(表2参照)
現状としては、進学に際して受験に数学を使うという生徒は、看護系で数名で大学短大は推薦が中心のためここ数年は0人(もちろんセンター受験も0人)という状況です。

○表2【平成17年度学年別教育課程表】
科目名 標準単位 1年生 2年生 3年生
(共通) (選択) (共通) (選択)
数学基礎 2       2  
数学T 3 4        
数学U 4   3   2  
数学V 3          
数学A 2     B    
数学B 2          
数学C 2          

 表2の通り、来年度(平成17年度)から3年次で「数学基礎」(必修2単位)が始まります。内容としては、3年生ではありますが、上記のような現状から「受験勉強」というものにとらわれず、公務員模試の問題のようなパズル的要素を含んだ問題等の演習をしていきたいという思いも含まれているようです。

○表3【平成18年度学年別教育課程表】
科目名 標準単位 1年生 2年生 3年生
(共通) (選択) (共通) (選択)
数学基礎 2       2  
数学T 3 4        
数学U 4   3   2  
数学V 3          
数学A 2     B    
数学B 2         A
数学C 2          

 さらに、平成18年度からは3年次に選択ではありますが、「数学B」が2単位入ってきます。今年度から進路指導部による「放課後講習」が本格的にスタートし、習熟度別授業についても学校をあげて模索中であります。  数学科としては、毎週金曜日に講習を実施しています。1、2年生を中心に7〜8人ですが、2年生は模試・進学に向けて「数学T」の復習を、1年生は授業内容の応用的なプリントを使用して進めています。まだ始まったばかりなので何とも言えませんが、進路目標がしっかりしていて意欲的な者もいますので楽しみです。  習熟度別授業につきましては、昨年度から校内研修で「導入すべきでは」という意見が出されているようですが、数学科としては2間口で教員2人ということで、2クラス2展開が限界となります。2クラス3展開をするためには、他教科からの応援を頼まねばならないという状況です。この件につきましてはまだまだ実施のめどはたっていません。

【2】数学検定の実施に向けて

 昨年度より本校では「数学検定」を実施しています。昨年の状況は、6月21日実施で受検者は10名ちょっと(10名以上いないと団体受検できません)うち、合格者は2名(3級)、残りのほとんどが1次合格止まりという結果とのことです。
 今年度は、その反省も含め下記の要領で実施することにしました。

 日程については、他に6月4日(金)・19日(土)という日程もありましたが、期間が短く十分対策ができないということ。7月17日(土)という日程では学校祭とぶつかってしまうため、7月10日の実施を決めました。
 各HRにて担任の先生から案内はしてもらいましたが、入試点数や中間テストの結果を見て、数人に個別に声をかけていきました。今後、行事や期末テストが入ってきますが、昨年以上の合格者を出せるよう指導していきたいと思います。
 数学検定の意義として、資格検定の取得(本校では他に英語検定・漢字検定・ワープロ検定を実施)は進路面でも有利になるという話、そして自分に対しての自信につながるということの話をして、1年生には「自信のある者・数学が得意な者→3級受検」「自信のない者・不安な者→4級受検」を勧めてきました。
 今回は10人集まるかどうかギリギリの状態ですが、可能であれば秋頃にも実施したいと考えています。また本校生は「文章問題が苦手」という生徒が多いので、特に2次で行われる「数理技能検定」の過去問題などは、授業で扱って応用力をつけるためのトレーニングにいいのではないかと勝手に考えています。
 将来的には「数学検定」も「数学基礎」とリンクさせて、(計算問題・文章問題のトレーニング)→(数学検定受検・取得)となると、生徒達にも少しは数学が親しみやすいものになってくれるのでは・・・と思いつつ今後の実践につなげていきたいと思います。