先生方の少しでもお役にたてば幸いです。
前提となる条件として,次のように考えてみました。
以上の考え方から,今回,取り上げてみようと思いついたものとして,「秋山仁教授」が盛んに推進している「実験数学」らしきものを行づてみようと考えた訳であります。
この事の利点として,次の点があげられます。
その様な事から,今回は,赤と青の画用紙を直径6cmに切り抜いて磁石に張り付け,オセロもどきの教材を作って,次のような内容で授業をおこなってみました。
○ | − | ○ | − | ● | − | ● | ||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
1 2 3 4 5 の所に○が入ると次のようになります。
1のとき | ○ | − | ● | − | ○ | − | ● | − | ● |
2のとき | ● | − | ○ | − | ● | − | ● | − | ● |
3のとき | ○ | − | ● | − | ○ | − | ○ | − | ● |
4のとき | ○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ |
1のとき | ○ | − | ○ | − | ● | − | ○ | − | ○ |
このとき次の問いに答えてくだい。
始めに白丸が一つあります,これに白丸を一つづつつけていくとします。
そのとき,次の図形で作ることが出来るものはどれでしようか。実際に確かめてみたいと思います。
○ | ||||||||||||
○ | − | ○ | ||||||||||
○ | − | ○ | − | ○ | ||||||||
○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | ||||||
○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | ||||
○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | ||
○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ |
次に○を一つづつ,つけて行くとき○だけからまたOだけになったときに最低でもいくつ○が増えているか確かめて見ましょう。
○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | ||||||
○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | ||||
○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | ||
○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ | − | ○ |
これから○の増え方の規則が少し分かってきましたね。
問.始めに白丸が一つあります。これに白丸を一つづつつけていくとします。そのとき全てが○となっているときその○の個数にはどのような法則があるでしようか。また,どうしてそのことが正しいことを証明してください。
この証明をするには時問と道具が必要ですから,それは高等学校に入ってから行ってください。(関心のある人は最奇りの先生にお聞きください)
これらのことで分かったことは,次のようになりました。
また,これ以外にはたぷんないでしよう。
以上です。
本日の数学のお話はどうでしたか。
オセロの操作の手順について
○ | 1個 | ||
○ | ● | 2個 | |
○ | ○ | ○ | 3個 |
○ | 1個 | |||
○ | ● | 2個 | ||
● | ○ | ○ | 3個 | |
○ | ○ | ○ | ○ | 4個 |
この手順から1,3,4の個数が出来ることが分かります。
次に,○の増え方について
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 5個 | |||
○ | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | 6個 | ||
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | 7個 | |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 8個 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 5個 | |||
○ | ○ | ● | ○ | ● | ○ | 6個 | ||
○ | ○ | ● | ● | ○ | ○ | ○ | 7個 | |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 8個 |
これより全部が白丸で始まり,次にまた全部が白丸になるとき少なくとも○は3個増えることが分かりました。
このことを考えますと,○の個数は次のものは作ることが出来るということが分かります。
1,4,7.10,13,16,19,・・・,3n−2 @
3,6,9,12,15.18,21,・・・,3n A
数学屋という人種は変なところに神経質でありまして,今までに分かった事は○の個数は3nと3n一2という形をした自然数であることと,2,5はできなくて,○の増えかたは少なくても3個である事が分かったのであります。だからといって30002個は出来ませんでしたが,30005個は出来るかもしれないのです。数が多くなれぱどこかごまかしてしまう事が出来るかもしれないのです。だからこそ,@とA以外ぽ本当にない事を確かめる必要があります。
そこで,再度実際にオセロを用いて同じような実験を行う事にしました。
○ ○ ○ ○ と○が4個並んているとき,左端から○を1個つけていきます。そして,裏になって●となった○を順番に右の方にずらしていきます。そのことを続けていく事にします。すると,最後に右端が●となったとします。そうなった後に右端の右に○をつけれぱ,全部が○になる訳であります。
手順を図示します。
○ | ○ | ○ | ○ | 4個 | |||||
○ | ● | ○ | ○ | ○ | 5個 | ||||
○ | ○ | ○ | ● | ○ | ○ | 6個 | |||
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | 7個 | ||
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | 8個 | |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 9個 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 6個 | |||||||
○ | ● | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 7個 | ||||||
○ | ○ | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | ○ | 8個 | |||||
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | 9個 | ||||
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | ○ | 10個 | |||
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | 11個 | ||
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | 12個 | |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 13個 |
上の図から次のような事が分かってきます。
○がn個あったとき,左の端に○を1個つけます。そのとき,左端から2番目が●に変わります。それ以後は,●の右に○をつけていく事を繰り返します。ある回数だけその操作を繰り返しますと,一番右の端に●がやってきます。
それを図示しましよう。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | ・・・n | |||||||||||
● | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ・・・○ | |||||||||||
○ |
左の端に○を1個つけたときの図であります。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | ・・・n | |||||||||||||
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ・・・● | |||||||||||||
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ・・・○ |
●がn番自にやってきたときの図であります。1からnまでの○(ただしn番目だけは●であります)にたいしてすぐ下には○が1個ずつ対応している事がよく分かると思います。つまり,○がn個増えた択であります。
そして最後にとどめの1個を右端につけます。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | ・・・n | |||||||||||||
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ・・・○ | |||||||||||||
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ・・・○ | ○ |
これで○が(n+1)個増えた事がお分かりいただけたと思います。
○の個数が3nのとき増える○の個数が(3n+1)個より
3n+(3n+1)=6n+1=3m−2
となり,これは,
1,4,7,10,13
の数列に含まれてしまいます。
○の個数が(3n+1)のとき増える○の個数が(3n+2)個より
(3n+1)+(3n+2)=6n+3=3m
となりこれは,
3,6,9,12,15
の数列に含まれてしまいます。
これによって,やはり○の個数は@とAとなってしまったのであります。
次に1からnまでの○の隙間から勝手にm個の隙問を選んでそこに○をつけたのちに再度○をつけて全てが○になるときのことも気になりますが,この事の証明は直感で行うことにはかなりの論理の飛躍を伴いますし,中学生を対象とした話題ではありませんので,そのことを取り上げる事はしないことにしました。