初心者の語る
入門(?)
北海道上川高等学校
若林 理一郎
平成15年6月14日
このレポートで用いられているTexソースファイルとDVIファイルがダウンロードできます。
⇒
「tex_abc.tex」(7KB)
「tex_abc.dvi」(13KB)
1 はじめに
のことを初めて知ったのは、大学時代でした。
当時、あるパソコン好きな教官がいて、「5時間もかかって作った!」と大喜びして、1枚の書類を受講生に見せていました。それは既に終わっていた「幾何学T」の試験問題。初めてその教官が
で作成した文書です。
当時、何に対しても冷めていた私は「どうしてこんなモノにそんな時間をかけてられるのか?」と冷ややかに眺めていました。
その後、
による文書や専門書が周りに多くあらわれはじめましたが、パソコン自体に興味のなかった私は、全くの無関心でした。
その私が
に興味を持ち始めたのは、昨年秋の北数教札幌大会。
を使っての問題作成プログラム(というのかわからないが)についての発表があり、小テスト作成用に使ってみようと、それ単体をダウンロードしてみたものの全く使えず。説明をみても見知らぬ言葉ばかりでちんぷんかんぷん。ここで挫折・・・。
再び火がつき始めたのが、昨年の暮れの数実研懇親会。隣にいた数人の先生方が、
についての会話。端にいた私は、外国語を聞いているようでさっぱりわからず仕舞。ちょっと悔しくて、帰ってからインターネットで検索すると、加藤・早苗両先生のレポートを発見。
関連のファイルは、フリーでダウンロードができることを知って早速実行。しかし、インストールの仕方がわからず、再度断念。
3度目に火がついたのは、高教研の帰りに立ち寄った本屋。何気なくブラブラしていたときに、ふと思い出して
の参考書でも見てみようと思って探すと、10冊前後並んでいました。簡単そうで安くてプログラムをきちんと立ち上げられるようなものを選んで買いました。
2 試行錯誤
買った本のとおり、ファイルのインストールを終えて何とかというソフトを立ち上げて見ると、例題代わりに入っていた
の文書を見ることができました。それを「コンパイル」して、"DVIOUT" というソフトを使ってプリントアウトまでできました。
そこで、以前に挫折した問題作成プログラムで問題を作ってみよう!と、このプログラムを再度インストールして実行しました。このプログラムと先にインストールした
関連のプログラムと関連づけをしなければうまくいかないことが説明を見てわかったので、関連づけをするとうまく立ち上がってきました。
しかし、プリントアウトまでいけるのですが、思った通りのレイアウトができません。改行幅が一番問題でした。ワープロのようにスペースやリターンキーでどうにかなるものでもなく、
で作成しようと思っていた冬休み明けのテスト(計算問題)は何とかやって、曲がりなりにも
で作成することができました。
3 イメージ通りの考査問題作成
関連の書籍に「美文」という表現が見られるように、特に数学関係には強い、美しい文書作成プログラムというのが
の開発されたきっかけだと思います。 「x」という文字は、ワープロで出力するのは厳しく、だからといって、数式エディタを一々立ち上げて文書に貼り付けていくのも面倒で、キーボードで入力すればすむようにならないかなと以前から考えていました。少しずつ
に触れていくなかで、「数字・記号を美しく表すこと」ができるようになると、日々の課題や考査問題を「美しく」作りたいという思いが強くなってきました。
そこで、買った本を眺めてみたのですが、先の改行の件や細かい設定などについて記載されていなく、隔靴掻痒というべき状態でした。再度、インターネットに救いの手を求めると、"schlmath" というマクロ(という)ものがあって、試験問題を作成するのにとても便利だということでダウンロードしてきました。
それで、どこかの階層に入れてサンプルを立ち上げたのですが、うまく出力できず失敗。連携型入試も始まるので、ここで一時、
は中断しました。
4 やっとできた! 定期考査
平成15年度に入って、年度初めの書類の雨霰をやっつけて少し余裕のできた頃、ふと休みの日に旭川の本屋に行ってフラフラしていたときに、たまたまPC関連のコーナーに来たので、
のコーナーに行ってみました。前回の経験があったので、設定の方法を幅広く記述している書籍を求め探して分厚い2冊の続き物を購入しました。
まだ初心者なので、1冊目の半分くらいしか使っていないのですが、大分思い通りの文書作成ができるようになりました。また、"schlmath" も早苗先生からご指導いただいて、一番簡単な方法は、ダウンロードしたフォルダの中で文書作成すればよいということを発見して、1学期中間考査の4科目の試験を
で作成しました。
完成した姿を見たのですが、やはり記号が美しく出力されるのはいいですね。
5 初心者が
で文書作成するには?
「ここにあげた
コマンドすべてに目を通してはいけません。必要な項目を選んで、sample.tex を書き換え自分の文書を作成しましょう。このおまじないを白紙の状態から書こうとするのは止めましょう。以前使った文書をコピーし訂正して使うのがスマートです。」と書いてあったのは、"schlmath" の作者のホームページ。
真っ新の状態でやっていくと、非常に面倒で手間がかかります。もし、自分のイメージする文書に近い体裁のファイルがあったならば、それを修正して使う方が早く、また、記述の意味を解釈すれば、さらなる工夫も可能になります。このアイディアをもらって、考査問題を作成しました。
6 最後に
MacユーザーからWindowsユーザーとなった人間にとって、コマンドやプログラムをいじるということは、特にそれに関する知識のない状態では、非常に不安であり危険でもあります。ただ、今のところは無事動いているので、このままの状態を維持しながら機能を拡張させていきたいと考えています。
とかく「初めの一歩」というのはエネルギーが必要で、人によっては思い切りが難しいものです。今回、とりあえず踏み出してみて「ここまでできた」ということを報告させてもらうとともに、今後、何らかの情報交換等ができればいいなと(個人的に)考えています。
<参考文献>
for Windows Another Manual vol.1 Basic Kit 1999
乙部厳己 江口庄英 著(ソフトバンクパブリッシング)
<参考ホームページ>
「高校数学計算問題作成ソフト MathTeX」(「数学のいずみ」ホームページより)
http://www.nikonet.or.jp/spring/MathTex/MathTex.htm
「
環境における数式文書作成」(「数学のいずみ」ホームページより)
http://www.nikonet.or.jp/spring/ptex/ptex.htm
「金沢君のメンテナンスルーム 」
http://www005.upp.so-net.ne.jp/mi\_kana/