統計コンクールへの取組

北海道上川高等学校
若林 理一郎

1 「統計グラフ全道コンクール」について

 「統計思想の普及啓発」と「統計の表現技術の向上」を目的に、昭和28年度から実施されていて、今年度で50回目を迎えたコンクールである。
 主催は北海道統計協会で、参加対象は小学生から大学生・一般までと広く、小1・2年の第1部から、高校・大学・一般までの第5部、そして、小学生以上ならば、参加自由のパソコン統計グラフの部の計6部に分かれている。小学校4年生以下は「自らが観察又、調査した結果をグラフにしたもの」とあるが、原則として課題は自由である。

2 応募の方法と流れ

 応募作品の規格等については、次のように定められている。
  1. 規   格   B2版。
  2. 紙質・色彩  自由であるが、裏面の板張り、パネル仕上げ、表面のセロハンカバーなどは認めない。
  3. 応募点数等  一人あたりの応募点数は制限なし。が、2枚以上のシリーズものは認めない。
  4. 合作の人数   1作品5人以内。
 提出先は、北海道統計協会各支部(各支庁地域政策部振興課統計係・主査(統計)内)となっている。締切日は、今年度の場合、8月30日までに必着となっていた。

3 提出までの実際

 今回、私の学級の生徒にパソコンが好きな生徒がいて、夏休み明けにその生徒が挑戦してみると申し出たので、非常に短期間の中、「パソコン統計のグラフの部」に向けての提出まで指導を行った。
 まずは、「何をテーマとするか」を考えるところから始まった。最初は、前年の入選作品を見て、「これにしよう」と安易なことを言っていたが、ある程度のオリジナル性が必要であることから、今までの学校での活動や地域を生かしたものにテーマを設定するよう指導し、上川高校の生徒数を中心とした人口数の変遷を通して、「上川町の過疎化」を題材とした。
 それから、「上川町史」や上川高校の「学校要覧」、人口に関するホームページからの情報などによりデータの収集を行った。
 「どの情報をどのようなグラフで示すか」という段階になると、表計算ソフトを利用してグラフの範囲や種類を変えながら、どれがより適切かを指導した。
 連日遅くまで作成にあたり、何とか体裁を整え作品として提出するに至った。
 提出先である上川支庁へは、折り曲げずに利用したデータ等を添付するということであったので、直接持参することにした。
 総数で424点、パソコンの部で98点、47作品が入賞となった。我が生徒については残念ながら・・・。

4 最後に

 「総合的な学習の時間」における学習の成果として、このコンクールを活用できるのではないか、また、グラフの種類などを学習することで、数学的な見方による情報の活用やプレゼンテーション能力を高めることができるのではないかと考えるものである。