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§1.数学コンテスト概要

 今回で17回を迎える「北海道高等学校数学コンテスト」は、昭和57年に当時の北海道算数数学教育会高等学校部会部会長と札幌市内の高等学校校長により発案・企画され、スタ−トした。北海道算数数学教育会高等学校部会が主催し、北海道教育委員会・札幌市教育委員会・北海道高等学校長協会・北海道新聞社が後援し、ベネッセコ−ポレ−ションによって、協賛されている。今年1月にも、200名近い道内の高校生が挑戦した。
 当コンテストの目的は、北海道の高校生の数学に関する資質のの向上を図るとともに、個性的な能力のある生徒を発掘して、その力をを更に伸ばすことにある。自ら困難を求め、それを乗り切る努力を続け、互いに競い合うことによって生まれる向上心は、単に数学だけでなく学習全体に知的好奇心を高めるに違いなく、北海道の高校教育全体のレベルアップにつながるものと期待している。
 出題に関しては、北数教高校部会や北大理学部の先生方から持ち寄せられた問題を絞り込んでいく。出題の基準としては、「高度な予備知識を必要としない。」点が重視され、身近な題材を使い数学的な思考力を試す出題を心がけている。

§2.表彰式

 

 2月20日(土)ベネッセコ−ポレ−ション札幌支社で「第17回北海道高等学校数学コンテスト表彰式」が行われた。
 北数教高等学校部会 部会長 札幌厚別高等学校長 浅川洪一先生の挨拶の後、今回成績優秀者上位20名に対して一人ひとり
 「北海道新聞社賞」
 「北海道算数数学教育会会長賞」
 「ベネッセコ−ポレ−ション賞」
 「秋山仁賞」
と表彰状、楯、記念品が手渡された。

 北海道教育委員会学校教育課指導主事 中村均
 北数教会長・北星学園大学教授 安藤 毅
 北海道大学教授 井上純治
 ベネッセコ−ポレ−ション札幌支社長 後藤守
 北数教統括事務局長 札幌新川高校 中野大明
の来賓の諸先生方から、祝辞をいただいた後、ケ−キとコ−ヒ−を食べながら、なごやかな雰囲気で出題・採点した先生方から問題の出題意図の説明と採点講評、次に受賞者一人ひとりが今回の問題に対する感想や質問を行い、出題者が回答し、来賓も助言するという流れで進められた。

 受賞者の生徒から、「知識が少なくて解けるのが、魅力である。自分のない知識で、どうやって解くのか考えるのが面白かった。難しかったが、良く考えてわかった時は嬉しかった。いい経験になった。普段の学校での授業でもこの様な教材をやって欲しい。今年は、「幾何分野」の問題が多くて少し残念、来年も受けるので、「個数の処理」「確率」等の問題も出題して欲しい。まだ習っていない数学の理論を根底にした問題を作成して欲しい」等の要望・意見が寄せられ、現1年生は来年の「数学コンテスト」への意欲を見せていた。


§3.成績統計

 第17回北海道高等学校数学コンテストは、北海道内26校から、190名の参加申し込みがあり、インフルエンザの流行もあって、実際に受験した生徒は163名でした。

 数学コンテストの配点は1題40点満点の問題が5題出題され、総計200点満点によって構成されています。 第17回コンテスト各問題別の得点分布は、上の表に表されている。
問題1に高得点生徒が多く見られる反面、低得点者も多く、「問題1は、何をして良いのかわからない。」という生徒も多く、近年の高校生の広い意味での思考問題への苦手意識を見る事ができた。
問題2の作図問題は、取り組み易かった様で多くの生徒が得点できていた。
問題3は、試験中にル−ロ−の三角形の紙片を回転させて考えている生徒も見られ、仮想実験的要素が生徒には、面白かったと思う。
問題4は関数問題と整数問題の融合問題。
問題5はビリ−ヤ−ドの反射の問題と幾何的な問題。「210分では、時間が足りない。」と訴える生徒もいた。数学コンテストは、高校生にとって数学を単なる受験の1教科とみなすのではなく、人生にとって必要な思考の1つの方法のスタ−トであって欲しいと、願っている。

  

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