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巻 頭 言

北海道算数数学教育会高等学校部会長
佐藤忠雄(北海道札幌南陵高等学校長)

 私達、北海道算数数学教育会高等学校部会全会員の誇りとも言える高等学校数学コンテストも、諸先輩の努力の積み重ねの結果、今回で、人生では成人式に当たります、記念すべき第20回目を迎えることができました。 これも、研究部の先生方を中心とする、全道各地の数学教師の皆さんの熱意の賜と部会を統率する者として心から感謝申し上げる次第です。

 また、この取組みを通じて、明日の数学教育を支える人材が確実に育ちつつあることを実感でき、本当に頼もしく思っているところです。

 本年は、全道から、校数で20校、参加者で155名の参加がありました。昨年に比べ、校数及び参加者の減少を見ましたことは誠に残念でありますが、このコンテストの有為性が縮小したことを意味するものとは考えておりません。

 来年こそ、本年の参加者の減少を真摯に受け止め、このコンテストのさらなる発展を期して努力を積み重ねたいものです。 さて近年、小学校・中学校・高等学校のいずれの学校においても、理科・数学離れの現象があり、最近、報道された外国のシンクタンクの調査結果によれば、理系に進学する学生が減少している日本においては、現在のような技術立国としての存在を維持できないのではないかとのことです。

 人材だけが資源と言って過言ではない我が国にとって、国民の生きる糧を失いかねない大変な事態であり、数学教育に情熱を傾けてきた私どもにとって、極めて残念なことでもあります。

 これら不本意な状況を改善するのは他ならない、我々数学教師集団であります。 よくわかる授業の充実に努め、自然科学を学ぶ楽しさ、数理的に物事を処理し、論理的に思考することの必要性を実感させることが大切です。

 この点、本高等学校部会・研究部が実施しております、数学コンテストは、数学に対する興味や関心を高め、美しい宇宙観とも言うべき数学の世界に若者をいざない、学校の授業では体験できないような新たな発見の場を提供するものでもあります。 このような数学コンテストの意義をしっかり自覚したいものです。

 最後になりましたが、本コンテストの実施に多大な力添えをいただきました、北海道教育委員会、北海道新聞社、ベネッセコ−ポレ−ション、並びに、自校の業務多忙な中、問題作成をはじめ種々の作業を携わっていただきました先生方に厚くお礼申し上げ、巻頭の言葉と致します。

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