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志賀浩二先生からのメッセージ

 第20回北海道高等学校数学コンテストに出場され、よい成績を上げられた皆さんおめでとうございます。

 また、このようなコンテストを準備され、組織された先生方のご努力のも敬意を表します。

 私は、中学2年生の夏から、ふとしたきっかけで数学に没頭するよゆになり、思いがけず一生数学を歩むことになりました。

 数学は不思議な学問で、私が30歳、40歳になり、ひとまず数学に熟達した年齢になっても、突然、昔学んだ ごくやさしい事柄の奥に、新しい見方があったことを発見することがありました。

それはきっと私自身の奥にあってそれまで眠っていた何かが、そのときはじめて目覚めたことを物語っているのでしょう。あるいは、初心に戻れと伝えていたのかもしれません。

 君達がこれから通り過ぎていく人生の季節の中で、数学を遠くに見ることも、また間近に見ることもあるでしょう。その時々の季節に応じて、数学はさまざまな新しい景色を示してくれるはずです。

 その中から皆さんが学ぶ楽しみを味わい、また深めてもらえればどんなに良いことかと思います。

 どうか、日々大切に、そして大きく育って下さい。

志賀浩二(しが こうじ)

元東京工業大学教授
現在は桐蔭横浜大学の教授を経て、桐蔭生涯学習センター長となる。
著書として、専門の「多様体論」(岩波書店)のほかシリーズ(数学が生まれる物語)「数学が育っていく物語」「対話で学ぶ数学教室」(各6冊)他著書多数

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