解の分離問題(別解)

■基本事項
学年/科目/単元 1学年/数学T/2次関数
学校名/作成者/作成年月日 札幌新川高校/早苗雅史/2004.3.21
実施形態/実施上の留意事項 プレゼンテーション/特になし
GRPSバージョン/ファイルダウンロード 6.32/bunri.gps(3KB)
■題材の内容

方程式 x2-2mx+m+2=0 が1より大きな異なる2つの解を持つように,mの値の範囲を定めよ。

■題材のねらい

判別式が正,軸が1より大,x=1のときの符号が正,という基本的な解法ではなく,固定された2次関数と1点を通る直線の交点を考えることでmの値の範囲を定める。

■学習の流れ

【展開1】
この手の問題は普通は@判別式が正,A軸が1より大,Bx=1のときの符号が正,という3つの条件を連立させて解くのが一般的ですが,これを別な角度から考えて見ましょう。 。
【展開2】
方程式を次のように変形します。
  x2+2=m(2x-1)
x>1 で2つの解を持つということは,2つのグラフ
  y=x2+2,y=m(2x-1)
が,x>1 で2点で交わることと同値です。
【展開3】
2つのグラフ y=x2+2,y=m(2x-1) のうち,y=x2+2 は固定されたグラフになります。y=m(2x-1) は定点 (1/2, 0) を通るグラフだということに注意してください。x>1 より y=x2+2 のx>1 の部分を考えます。
それではパラメータmを変化させ,2つのグラフが2点で交わる場合を考えます。mの値を大きくすると,あるところで1点で接します。このときのmの値は判別式が0になるときですから,
  D/4=m2-m-2=0 m>0より ∴m=2
【展開4】
更にmの値を大きくすると,しばらくは2点で交わる状態が続きます。それでは次に共有点が1点しかない場合は,どんなときでしょう。
y=x2+2 上の点 (1, 3) を通るときですね。y=m(2x-1) が(1, 3)を通るときのmの値は
  3=m(2-1)  ∴m=3
【展開5】
つまり y=x2+2 (x>1),y=m(2x-1) が2つの共有点を持つのは,2つの接する場合とy=m(2x-1) が(1, 3)を通るときを考えて
  2 < m < 3

■留意点・工夫点

  • 解の分離問題は,生徒にとっては大変苦手な問題の一つです。パターンもいくつもあり,場合分けが必要な場合などは,かなり苦戦する生徒が多いといえます。この問題をグラフを使って解かせることで,多少平易な問題へと変わります。直線が1点を通ることをしっかりと理解させなけらばなりません。
  • スクリプトを組むことで,2つのグラフの場面を瞬時に切り替えることができます。展開が大変スムーズに運びます。