点の描く軌跡

■基本事項
学年/科目/単元 2学年/数学U/図形と方程式
学校名/作成者/作成年月日 札幌新川高校/早苗雅史/2004.3.19,2005.6.30
実施形態/実施上の留意事項 プレゼンテーション/特になし
GRPSバージョン/ファイルダウンロード 6.41/pt_kiseki.gps(3KB)
■題材の内容

点 (1,1) を通る直線hと直線 g:y=ax+1 とが交点Aで垂直に交わるとする。aが実数全体を動くとき,交点Aの座標および軌跡を求めよ。

■学習の流れ

【展開1】
まずパラメータaを変化させることで直線g:y=ax+1がどんな直線を描くのかを確認してみましょう。パラメータaが変化しても点(0, 1)を通ることが確認できます。式の上から,どうしたらその点が出てくるのか考えて見ましょう。
【展開2】
点(1, 1)を通り,直線gに垂直な直線をイメージしてみましょう。パラメータを変化させ,直線と交点の様子を観察します。
【展開3】
交点に残像をつけて,交点の描く軌跡を考察します。交点の軌跡は円になりそうなのがイメージできます。
【展開4】
それではパラメータを自動で変化させて見ましょう。ここで点の動く速度に注意して見てみてください。パラメータaがかなり大きくなると,少し遅くなりますね。またいくら大きくしても点(0, 1)に近づきそうで決して近づきません。それは直線の傾きがいくら小さくなっても,y軸にはならないからです。
【展開5】
求める軌跡は円になりそうです。しかも1点(0, 1)を除いた円であることが予想されます。
この円の方程式を求めるには直線g:y=ax+1と点(1, 1)を通り直線gと垂直な直線 y=-x/a+1/a+1(a≠0)の連立方程式を解き,パラメータaを消去する必要があります。しかし2点(0, 1),(1, 1)を直径とする円であることに気づけば,簡単に求めることができます。また,1点(0, 1)を除く事の意味も理解できるでしょう。

■留意点・工夫点

  • 直線gは定数aの値に関わらず点 (0,1) を通りますが,垂直に交わることにより2定点を直径とする円を描くことは明らかです。ここで実際に軌跡を見せるとパラメータaをいくら大きく(小さく)しても,点 (0,1) を通らないことを理解させることが容易になります。
  • Grapeseファイルを作成するときに展開ごとにスクリプトを組むことで,授業での展開がスムーズに進むようになります。