直線の通過領域

■基本事項
学年/科目/単元 2学年/数学U/図形と方程式
学校名/作成者/作成年月日 札幌新川高校/早苗雅史/2004.6.13,2005.6.30(改訂)
実施形態/実施上の留意事項 プレゼンテーション/特になし
GRPSバージョン/ファイルダウンロード 6.41/tuuka.gps(3KB)
■題材の内容

実数tに対して,xy平面上の直線(1-t2)x-2ty=1+t2は,tの値によらずある図形に接している。
(1)接している図形の方程式を求めよ。
(2)tがt≧1の範囲を動くとき,直線の通過する範囲を図示せよ。

■題材のねらい

パラメータを変化させることにより,直線の通過領域が一つの図形を描くということをイメージ化させる。

■学習の流れ

【展開1】
まず問題の意味を把握するために,具体的にtに数値を入れて直線がどうなるか確かめてみましょう。
【展開2】
更に軌跡を残すことで,この直線がどういった曲線に接するのかがわかります。出てきた図形が円であることがわかりますね。
この円の方程式はどのように求めることができるでしょう。方程式を次の様に変形します。
  
とおくと
  
において,円x2+y2=1に接することがわかります。

【展開3】
次にtがt≧1の範囲を動くときの直線の通過する範囲を求めてみましょう。接点のx座標を次のように変形します。
  
t≧1より-1<x≦0が導かれます。ここでいくらtを大きくしても-1にはならないことに注意しましょう。同様に接点のy座標も次の様に変形します。
  
ここでに注意すれば-1≦y<0が導かれます。
つまり円の第3象限の部分に接する直線が通過する領域を考えれば良いことになります。

【展開4】
円の第3象限の部分に接する直線が通過する領域はどうなるでしょう。もう一度軌跡を取ることで確認してみましょう。
パラメータtをどんどん大きくしていきます。tを大きくすると直線の“動き”が遅くなってきました。直線の密度も高くなってきましたね。
【展開5】
求める領域は右図のようになるのですが,ここでtをいくら大きくしても直線x=-1にはならないのに注意してください。先ほど接点のx座標が-1<x≦0であることを求めましたが,x=-1が入らないのがグラフの変化からもイメージすることができますね。

■留意点・工夫点