限界効用逓減の法則

 簡単な経済の勉強をしましょう.買い物をするとき,私たちは自分の必要性や好みにしたがって行います.このとき私たちは,どのような原理にもとづいて自分が購入する商品(経済では 財 といいます)を決めているでしょう.
 とても今ピザが食べたい,とします.一枚目のピザはおなかの減っている私にはとても貴重な存在です.しかし2枚目,3枚目(そんなには食べませんが)となると,ピザの価値は下がっていきます.
 このように,一般に人々が手に入れる商品の数が増えていくと,その商品が増えたときに感じる満足度はだんだん減っていくことになります.
 このとき経済学では商品を売って得られる満足度を「効用」,商品が一つ増えたときの満足度を「限界効用」といいます.そして先ほど見たように,商品が増えたときに感じる満足度がだんだん減っていくことを「限界効用逓減(ていげん)の法則」といいます.

 いま,2つの商品A,Bを購入することを考えます.Aを3個,Bを12個買ったとします.これと同じだけの効用(満足度)が得られる2つの商品の組み合わせを考えてみましょう.例えば次の表のようになったとします.

 A財B財
組合せ13個12個
組合せ24個9個
組合せ36個6個
組合せ49個4個
組合せ512個3個

 Aを3個から4個へと1個増やすとBは3個も減ってしまいました.これはAとBの効用(満足度)が違うからです.
 また先ほどあげた表以外にも違った満足度の組合せも考えられます.例えば最初の組合せが4個と12個といったような高い満足度の場合もあります.こうした同じ満足度の組合せを集めるとなめらかな「無差別曲線」が得られます.

異なった満足度を集めた
無差別曲線

 しかし世の中自分の満足度だけではうまくいくものではありません.先立つものはお金ですね.先ほどのAの値段が100円,Bの値段が50円,予算が800円だったとします.この予算の中で満足度を最も高めるにはどうしたらよいでしょう.
 商品Aをx個,Bをy個購入したきの,予算の制約を式で表してみましょう.
   100x+50y=800 ・・・(1)
 この中で最も満足度を高めることができるのは,この直線に無差別曲線が接する場合だといえます.

接点が予算内で最も
満足度の高い組合せを決定

 簡単のために無差別曲線の式を
   xy=k ・・・(2)
とします.(1)よりy=−2x+16であるから(2)に代入して
   x(−2x+16)=k
   ∴ 2x2−16x+k=0
判別式Dを考えると
   D/4=64−2k=0
   ∴ k=32
またこのときのx,yの値を求めると
   x=4,y=8
つまりAを4個,Bを8個購入する場合が,予算内で最も満足できる買い物だったわけですね.