札幌厚別高等学校 片岸 洋
1.日時 | 平成15年10月17日(金) 第2校時 | ||
2.対称クラス | 3年3組 (男9名,女9名) | ||
3.担当教諭 | 片岸 洋 | 4.教科・科目 | 数学V |
5.使用教科書 | 数学V(東京書籍) | 6.単位数 | 4単位 |
7.単元 | 微分の単元が終了しているので,この時間は数学的に有効なオイラーの公式を導き指数関数と三角関数との関係を学習する。 | ||
8.本時の目標 | オイラーの公式と,それを利用して微分や三角関数の公式を導く。オイラーの人物についても学習する。 | ||
9.本時の展開 |
授業の流れ | 指導内容・方法 | 指導上の留意点 | |
教師の活動 | 生徒の活動 | ||
導入 5分 |
y=sin kx y=cos kx y=ekx の第2次導関数を求め,y'とy"の関係を考える。 |
y"=-k2 sin kx y"=-k2 cos kx y"=k2 ekx |
この三角関数では y"=-k2 y 指数関数では y"=k2 y という関係がある。 |
展開 35分 |
f'(θ)=k f(θ)となる関数を求めよ。 | f(θ)=ekθ | 実際の答えは f(θ)=A ekθだが,f(0)=1という条件では,A=1となりf(θ)=ekθになる。 このような方程式を微分方程式という。 |
g(θ)=cosθ+i sinθを微分し,g(θ)とg'(θ)との関係を求めよ。ただし,i2=-1 | g'(θ) =-sinθ+i cosθ =i2sinθ+i cosθ =i (cosθ+i sinθ) g'(θ)=i g(θ) |
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k=i でも成り立つとすると g(θ)=cosθ+i sinθはどんな式になるか。 |
eiθ=cosθ+i sinθ | g(0)=1を確かめる。 これをオイラーの公式という。 |
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e-iθ=cosθ-i sinθを使ってsinθとcosθを指数関数で表す。 | 指数関数は三角関数で表される。逆に三角関数も指数関数で表されることがわかる。 | ||
(eiθ)'=i eiθからsinθとcosθの微分公式を導く。 | (cosθ+i sinθ)' =i (cosθ+i sinθ) =-sinθ+i cosθ |
《複素数の相当》 a,b,a',b'が実数でa+b i=a'+b' iのときa=a',b=b' |
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(sinθ)'=cosθ (cosθ)'=-sinθ |
sinθとcosθの第2次導関数も求めることができる。 | ||
ei2θ=(eiθ)2を計算して,両辺を比べる。 | ei2θ=(eiθ)2 左辺=cos 2θ+i sin 2θ 右辺=(cosθ+i sinθ)2 =cos2θ-sin2θ+2i sinθcosθ |
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sin2θ=2sinθcosθ cos2θ=cos2θ-sin2θ |
《2倍角の公式》 | ||
問.e(α+β)i=eiαeiβより加法定理を導け。 | sin(α+β) =sinαcosβ+cosαsinβ cos(α+β) =cosαcosβ-sinαsinβ |
時間があれば,ド・モアブルの定理にもふれる。 (cosθ+i sinθ)n =cos nθ+i sin nθ |
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まとめ 10分 |
オイラーの公式にθ=0,π/2,πを代入する。 | θ=0 1=1 θ=0 eπi/2=1 θ=π eπi=-1 |
πとiとeが一本の簡単な関係式で表される。 |
オイラーの人生やその実績について簡単に触れる。 |