〜1次変換の応用〜

札幌東高等学校  大 山  斉

 正六角形をはじめとして、正多角形の図をもとにしてベクトルの問題が出題されている。各頂点を結ぶ線分どうしのなす角度を調べたり、線分と線分の平行な関係を調べたり、線分どうしの長さの関係を調べたりして、以上の性質を考察してベクトルの問題を解いてゆくことになる。ところが、これが以外に難しく、正多角形を素材としたベクトルの問題は模試等でも、センター入試でも正答率はあまり高くない。

 私も正多角形にかかわるベクトルの問題を易しく解くことが出来るようにいろいろな解法を工夫してきましたが、ここ数年受験生に指導している方法について述べていたいと思う。

 1次変換は代数幾何の中でも重要な位置を占めている分野であるが、この1次変換についての詳しい計算の仕方等は、代数幾何の授業の中でもかなりの時間をかけて指導しなければ定着させることは難しい。しかし、1次変換の重要な性質そのものは一度理解したならば、いろいろな場合にも応用することができ、しかもそれは決して難解なものではない。