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[0] はじめに

 正多面体は五種類しか存在しないことは結果として知っている生徒は多いであろうが,どのような数学的推論を組み立てつつ照明されるのだろうかということに関しては理解している生徒は少ない。オイラーの多面体定理をわかり易く教える方法を工夫することができるならば,そのことを通して数の計算とは違った別な数学の姿に目を向けさせることもできるであろう。

 中学校の教材の中にも以前は多面体とか,オイラーの定理のことが出ていたようであるが,いくつかの多面体を例にあげて,点の数,面の数,線の数の間に成り立つ公式を経験的に理解させることに重点がおかれていたように思われる。

 高校で教材化するには本格的な証明が分かり易く理解できるように展開してみたいものである。ある条件のもとで,与えられた式を満たす整数の組を全て求める手法を理解すること,次に位相幾何の考えをとり入れてオイラーの多面体定理を易しく理解できるようにする,以上のことを前提として正多面体定理の性質を正確に知ることができるようになる。