⇒解答

趣味の数学問題集

A問題

第2版

時岡郁夫 作・編集

はじめに

 この問題集は私が高校時代に作成した問題(100題程度)と大学時代に作成した問題,教員になり作成・編集した問題をまとめたものである.
 高校時代の私の趣味は,自分で作った問題を先生方に解いてもらうことであった.問題の中には先生方でも解けない問題もあったので,私の相手をしてくれた数学の先生は1〜2名しかいなかったと思う.
 A問題は高校1年生で解ける程度,B問題は高校2年生で解ける程度,C問題は高校3年生で解ける程度を示している. ただ,内容に偏りがあるのは,あくまで趣味として作成した問題だからである.高校当時,私の興味をもっていた分野が,一目瞭然である.
 高校の定期考査でそのまま使用できる問題は少ないと思うが,大学入試問題としてなら使用できる問題は数多くあると自負している.
 この問題集は,数学をこよなく愛する生徒に刺激を与えるものとなることを願っている.

2000年3月15日
北海道札幌拓北高等学校教諭  時 岡 郁 夫

  1. 整式 f(x)=(x4+4)(x4-8x2+4)+64x2 について,次の問いに答えよ.
    (1) f(x) を因数分解せよ.
    (2) 方程式 f(x)=0 を解け.

  2. Fn=(a+b+c)2n+1-(a2n+1+b2n+1+c2n+1) (n=1,2,3,4,5) を因数分解せよ.

  3. 3次方程式 x3-3x+1=0 の1つの解を α とするとき,次の式の値を求めよ.
       

  4. xに関する不等式
       
    は -1≦x≦1のとき,常に成り立つという.このとき,点 (a,b) の存在する範囲を図示せよ.

  5. 整式 f(x)は,f(1+x)+f(1-x)=2x2, f(3)=-3f(-1) を満たしており,方程式 f(x)=0 は2重解をもつ.このような次数が4次以下の整式 f(x) を求めよ.

  6. 3次方程式 x3+px2+qx+r=0 の3つの解を α,β,γ とするとき,次の式を p,q,r を用いて表せ.
       D=(α-β)2(β-γ)2(γ-α)2

  7. 3次方程式 f(x)=x3+ax2+bx+c=0 は相異なる3つの整数解をもち,ある整数 n とある素数 p に対して, f(n)+p=0 が成り立つとき,次の問いに答えよ.
    (1) a,b,c を n,p で表せ.
    (2) a,b,c の関係式を求めよ.

  8. 次の方程式の1つの解をθとおくとき,他の解をθの最低次の整式として表せ.
    (1) x3-3x+1=0
    (2) x3+x2-2x-1=0
    (3) x3+x2-4x+1=0
    (4) x3+x2-6x-7=0

  9. 有理係数の整式 f(x)=x3+ax2+bx+c は有理数の範囲で因数分解できなく,
       
    が有理数であるとする.このとき,方程式 f(x)=0 の1つの解をθとするとき,他の解をθの最低次の整式として表せ.

  10. 2次方程式 x2+(a+b-p-q)x+ab-bq-aq=0 (a,b,p,q は実数)は,pq≧0 のとき実数解をもつことを証明せよ.

  11. 方程式 (a+b2)x3+(2b+c)x2+6x+2a-c=0 は,x=1 だけを解にもつ.このとき実数 a,b,c の値を求めよ.

  12. 複素係数の n次方程式 xn+a1xn-1+a2xn-2+…+an=0 の1つの解をαとするとき,
       
    であることを証明せよ.

  13. 4次方程式 x4-x3+ax2+x+1=0 は虚数解αをもち,(α+1/α)16>0 のとき,実数aの値を求めよ.

  14. x,y は整数で,13x-31y=k (定数)を満たしている.x2+y2 が最小となるとき,5x-12y=1 であった.k の値を求めよ.

  15. x,y が整数であるとき,不定方程式
       13579x-97531y=k (定数)
    を解け.

  16. x,y は整数で,13579x-97531y=k (定数)を満たしている.x2+y2 が最小になるとき,
       1222x-8777y=1
    であった.k の値を求めよ.

  17. 次の問に答えよ.
    (1) x|y-4|+y|x+2|=2 のグラフをかけ.
    (2) x に関する方程式 |a-4|x+a|x+2|=2 について,
     @ 正の解をもつときの a の値の範囲を求めよ.
     A 2つの解をもつときの a の値の範囲を求めよ.
     B Aで2つの解の差が最小となるときの a の値を求めよ.

  18. 次の不等式を解け.ただし,[x] はガウスの記号で,xを超えない最大の整数を表わすものとする.
    (1) [x]2-3x+2<0
    (2) [x2]-3x+2<0
    (3) [x2]-[3x]+2<0

  19. 不等式
       
    を解け.ただし,a は実数.

  20. x=b2+bc+c2, y=c2+ca+a2, z=a2+ab+b2 のとき,
       
    を証明せよ.ただし,a,b,c は実数で,abc≠0 とする.

  21. n! を計算したとき,終わりに並ぶ0の数を N とする.次の問いに答えよ.
    (1) N を求めよ.
    (2) N<n/4 を証明せよ.

  22. a≧1, [a]+1≦n≦[2a] (n は整数)のとき,次の問いに答えよ.
    (1) を証明せよ.
    (2) を証明せよ.

  23. 方程式 x6+x5+x4+x3+x2+x+1=0 の1つの解αに対して,βii-i とおくとき,多項式
       f(x)=(x-β1)(x-β2)(x-β3)
    を求めよ.

  24. 方程式 x12+x11+…+x+1=0 の1つの解αに対して,
       βii-i,γ115,γ223,γ346
    とおくとき,多項式
       f(x)=(x-γ1)(x-γ2)(x-γ3)
    を求めよ.

  25. 方程式 x18+x17+…+x+1=0 の1つの解αに対して,
       βii-i
       γ1178,γ2235,γ3469
    とおくとき,多項式
       f(x)=(x-γ1)(x-γ2)(x-γ3)
    を求めよ.

  26. f(x)=x4+px2+qx+r の4つの解 αi (i=1,2,3,4)に対して,
       β1=(α12)(α34), β2=(α13)(α24),β3=(α14)(α23)
       γ112β222β332β1, γ21β222β323β12
    とおくとき,次の問いに答えよ.
    (1) β1, β2, β3 を3つの解にもち,x3 の係数が1である3次方程式を g(x)=0 とする.g(x) を求めよ.
    (2) γ1, γ2 を2つの解にもち,x2 の係数が1である2次方程式を h(x)=0 とする.h(x) を求めよ.
    (3) f(x),g(x),h(x) の判別式をそれぞれ d(f),d(g),d(h) とおくとき,
       d(f)=d(g)=d(h)
    を証明せよ.ただし,判別式とは解の差積の平方で,例えば,d(g)=(β12)223)231)2 である.

  27. x,y は実数で,x3+6xy+8y3=1 のとき,x2+y2+2y の最小値と,そのときの x,y の値を求めよ.

  28. 2点 (a,b), (0,c) を通る半径 r の円の中心の座標を求めよ.ただし, とする.

  29. 2つの放物線 y=ax2+b, y=bx2+ax によって囲まれた部分の中に常に点 (2,2) が存在する.このとき,点 (a,b) の存在する範囲を図示せよ.

  30. 次の問いに答えよ.
    (1) 1+sinθ=tanθ のとき,sinθ の値を求めよ.
    (2) 1-sinθ=tanθ のとき,sinθ の値を求めよ.
    (3) 1+cosθ=tanθ のとき,cosθ の値を求めよ.

  31. 下の鋭角三角形 において,次の各々の場合における
       
    の値を求めよ.
    (1) K1 は点 P が重心の場合
    (2) K2 は点 P が内心の場合
    (3) K3 は点 P が外心の場合
    (4) K4 は点 P が垂心の場合
    (5) K5 は点 D,E,F が内接円の接点の場合

  32. 三角形ABC 内に1点 P をとり,AP,BP,CP と辺BC,CA,AB との交点をそれぞれ D,E.F とする.AE=bx (0<x<1), AF=cy (0<y<1) とおくとき,次の問いに答えよ.
    (1) BD,CD の長さを求めよ.
    (2) △DEF の面積 K を求めよ.ただし,△ABC の面積を S とする.
    (3) K の最大値を与える x,y の値を求めよ.また,このとき点P はどんな点か.

  33. どの内角も 120°を超えない△ABC の外部に,3点 A',B',C' を次のようにとる.3つの三角形 A'BC, AB'C, ABC' は正三角形で,互いに重ならない.このとき,次の問いに答えよ.
    (1) 線分 AA', BB', CC' は1点 P で交わることを証明せよ.
    (2) AP の長さを求めよ.
    (3) AP2+BP2+CP2 を求めよ.

  34. 三辺の和が 2s の三角形の内接円の半径を r とするとき,
       
    を証明せよ.

  35. 2つの円 x2+y2=r12, (x-d)2+y2=r22 (r1+r2<d) の共通内接線と共通外接線の方程式を求めよ.

  36. 右図の △ABCについて,次を証明せよ.
    (1) A=60°で点D が内心ならば,DE=DF
    (2) AB≠AC,点D は内心,DE=DF ならば,四角形 ABCD は円に内接する.
  37. △ABC の∠A=135°の3等分線が辺BC と交わる点を順に D,E とし,
       AB=b, AD=d, AE=e, AC=c
    とおくとき,次の問いに答えよ.
    (1) bc=bd+de+ec を証明せよ.
    (2) e/b+d/c の最小値を求めよ.

  38. △ABC において,次の場合に ∠A の大きさを求めよ.ただし,m>n>0 とする.
    (1) a=m2-mn+n2, b=2mn-n2, c=m2-n2
    (2) a=m2+mn+n2, b=2mn+n2, c=m2-n2

  39. △ABC の辺AB, AC 上にそれぞれ点E, D をとり,線分BD と CE との交点を F とする.
       AD=nAC (0<n<1), AE=mAB (0<m<1)
    とおくとき,面積比 を求めよ.

  40. 台形ABCD(AD//BC,AD<BC)の辺AB上に点Eを,辺DC上に点Fを,EF//BCかつ四角形AEFDの面積と四角形EBCFの面積が等しくなるようにとる。AD=x,BC=y,EF=zとするとき,次の問いに答えよ.
    (1) x, y, z の関係式を求めよ.
    (2) AE:EB=k:1 とおくとき,kの値を x, y を用いて表せ.

  41. 長方形 ABCD の辺 CD,DA 上にそれぞれ点P, Q を PC:PD=QD:QA かつ ∠PQB=∠R となるようにとる.このとき,AB, BC, CP, PD, DQ, QA の長さが整数となるものをすべて求めよ.例えば,順に 4,8,1,3,2,6.

  42. を満たす自然数 x,y,z (x≦y≦z) の値を求めよ.

  43. a,b,c,d(a≦b≦c≦d)は自然数で, を満たしている.k の最大値と,そのときの a,b,c,d の値を求めよ.

  44. 右の図式で異なる文字は異なる数字を表し,同じ文字は同じ 数字を表すものとする.S<G,R<Lとするとき,文字に数字を当てはめよ.
  45. 次の問いに答えよ.
    (1) 4つ数 1777,7177,7717,7771 の中で,素数でない数はどれか.
    (2) 5つ数 17777,71777,77177,77717,77771 の中で,素数はどれか.
    (3) 7つ数 1777777,7177777,7717777,7771777,7777177,7777717,7777771 の中で,17 を因数にもつ数はどれか.
    (4) 8つ数 17777777,71777777,77177777,77717777,77771777,77777177,77777717,77777771 の中で,素数はどれか.

  46. 次の9つの□に,1から9までの数字を1つずつ入れよ.
    (1)
    (2)

  47. 西暦□□□□年(昭和□□年)□月□□日の9ヶ所の□に1〜9までの数字を1個ずつ入れよ.また,その曜日を求めよ.

  48. 右の図式で異なる文字は異なる数字を表す.AからIまでの数字を求めよ。
  49. 次のA,B,C,D,Eに当てはまる数字を求めよ.
       

  50. 次の9つの□に,4を除く0から9までの数字を1つずつ入れよ.
       

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