先生の感想
先生の感想
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新課程における言語の取り扱いの実践例として、「数学Aにおける「コンピュータの基礎」」をまとめました。
http://nikonet.or.jp/spring/mathA/mathA_0.htm
前回はDos版のBasicを用いましたが、今回用いた言語は立教大学の白石和夫先生の考案された「十進BASIC for Windows95」です。白石先生の十進BASICについては
http://hp.vector.co.jp/authors/VA008683/
を参照してください。
この言語については以前、新川高校の中村先生が数実研の中で、レポート「やすい!はやい!うまい! グラフィックス調理法 」として紹介されました。
http://nikonet.or.jp/spring/10basic/10basic.html
そのとき、非常に手軽で使いやすいことから興味を持ち、いつか授業で使ってみようと考えていました。特に授業で使うときの利点としては、
- Windows95上で動くソフトであること
- 著作権フリーであること
- 教育課程で想定されている言語Basicにほとんど近いこと
- 絵定義のような簡単な構造化プログラミングが可能なこと
- グラフィックの変換が容易なこと
などが挙げられます。
さて、今回の実践は3年生の2クラスで行いました。実施時期は'97年12月です。ほぼテキストどおりに行われました。内容としては、かなり余裕のあるものとなりました。前回の反省点をふまえ、今回は次の点を考慮に入れました。
- 課題の出力例を(OUTOUT)として、先にテキストに載せておく
- 1時間の分量としては余裕を持たせる
- 時間に余裕のあるときはメールやインターネットなど生徒に感心のある題材も提供する
- 日本語入力について先にきちんと説明しておく
全体的な感想としては、
- グラフックということで生徒の関心はおおいにあったようである
特にグラフの描画や絵定義を用いた図形の描画は生徒の興味・関心を誘った
- 色や線の種類を変えたりするなど、視覚的なものの関心は高い
- 自分の描いたグラフィックを印刷したときは、おおいに感動していたようである
- 行番号がいらず、生徒にコピーやカット&ペーストなどの編集テクニックを教える事で楽な編集が出来た
などである。各回毎の反省点は次のとおりです。
【第1回】
- "札幌市"を"札幌市”とするなど、日本語入力を切り替えない生徒が目立った。
- 円周率の値が既に組み込まれていることを説明しても、3.14として計算させ、OUTPUT出力例とあわず戸惑う生徒がいた。
- 三角関数の値の処理の仕方を理解できない生徒もいた。
【第2回】
- DosBasicと違って代入文にLETを必ず用いなくてはならず、それになれない生徒もいた。
- 行番号をつけなくてもよいのだが、DosBasicのなごりでつける生徒もいた。
- あいかわらずかけ算の記号を忘れる生徒が目立った。
- INPUT文でPROMPTを入れるのがDosBasicと違いスペルを間違う生徒もいたが、実行したとき別Windowが開くのでとても入力しやすそうであった。
【第3回】
- 類題7-2で、0°から90°までを10°きざみといっているにも関わらず、前問のリストを直しているためか、STEP 0.1として膨大な実行結果を出している生徒がいた。
- 時間的にかなり余裕があったので、生徒同士のメールのやり方を教えた。
【第4回】
- 前回と同様、相変わらず条件判断は苦手なようである。IF b<c THEN b=c のような文字の使い方が難しいのであろうか。
- SELECT文が使えるのは、説明が簡単であった。しかし、1次方程式ax=bを解くことが、やはり難しいようである。前回の評価テストでも出来の悪い問題の一つであった。
【第5回】
- いよいよグラッフィックということでどういう反応があるか興味があったが、座標軸や座標平面を描画しただけでも歓声が上がり、視覚効果の大きさを感じさせた。
- 使える色の種類を、テキストできちんと説明しておくべきであった。特に、"BLUE","RED"などの様にはじめから組み込まれている色を、はっきりとさせておくとよかった。
- LINEで図形を閉じるのと、AREAを用いて図形を閉じるとき最後の点の処理が違うのが、若干戸惑いがあった。
【第6回】
- 生徒は今までの学習で知っている関数が描画されたため、かなり興味深く取り組んでいたようであった。
- 点をPLOtするのが PLOT LINES: x,f(x) で その点を結ぶのが PLOT LINES: x,f(x); ということで、生徒にはすんなり吸収できたようである。
- 課題を終えた生徒は違う関数を描画させていました。
- プリントアウトしたものを他の先生に見せびらかす生徒もいた。
【第7回】
- この言語の最も特徴的な使い方かなと感じた。特に図形の移動はとても手軽である。
- 最初のPICTUREの作成のために、生徒に目盛りの入ったグラフ用紙を配布したのがよかった。
- 円を使った図を描画したい生徒が多かった。あまり考えていなかったため始めて気がついたが、円のコマンドが用意されていないのはとても使いずらいと感じた。
【第8回】
- 例外処理 「WHEN 〜 END WHEN」 は、生徒には難しいかもしれない。
- 例外処理にかんしてはDelphiの特徴がよく出ていると感じた。
- f(x)=1/SIN(x)のグラフは、きちんと例外処理が利いていないようである。stepポイントのせいか?