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2  波の分解

2_1 a0を求める

 これまで周期性のある単純な波を足しあわせて複雑な波を作ってきました。今度はいよいよ分解することを考えてみましょう。いったい複雑な波を単純な波に分解することなどできるのでしょうか。

 先ほどのフーリエ級数式をもう一度確認してみましょう。

 この式に出てくるa0の値を、まず求めてみましょう。次の図のように定数波【A】とcos波【B】【C】、sin波【D】が合成された波【E】を考えます。このうち、a0は定数波【A】の値になります。

 ここで、以前みたように、「合成する波の角速度は合成された波の角速度の整数倍」となりますから、合成された波の1周期分をまず調べればよいことになります。そして、a0の値を求めるために”面積”に着目します。

 ここで【B】の波をみてください。プラスの部分とマイナスの部分が相殺されて、面積が0になっています。同様のことが【C】と【D】の波についてもいえます。

 残るのは波【A】のグラフだけとなります。【A】のグラフの面積は、次の図のようにすると、簡単にa0Tと求まります。

 これらをまとめると次のようになります。

 【B】〜【D】の波を合成したものが【E】の波ですから、【E】の面積は【A】の面積、すなわち a0T と同じにならなくてはなりません。これを面積を表す積分記号を用いると、次のようになります。

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