係数a0を求める際に、a0に関する1つだけの波を残すために”面積”に着目しましたね。1周期の間にある定数波以外の波、つまりsin波もcos波も面積は全て0になりました。
それではanに関する波、すなわちcos波の面積だけを残して、その他の波の面積を0にするような方法があるのでしょうか。
そこに登場するのが”波のかけ算”という方法です。次のシミュレーションプログラムをみてください。左側は【A】〜【D】の4つの波とそれを合成した波【E】があります。右側には左側の【A】〜【E】の波に1番上にある波【W】をかけ合わせた波【A'】〜【E'】が表示されるようなっています。
これを用いて、波と波のかけ合わせの規則性を探ってみましょう。
(1) cos波×cos波、sin波×cos波
まず、基本の波【W】をcos波にして、cos波×cos波の様子を探って見ます。【A】〜【D】の波の周波数をいろいろ変えてシミュレートしてみましょう。
このシミュレートにより基本の波【W】の周波数と同じ周波数を持つcos波の面積だけが残り、それ以外の波の面積は0になるのが分かります。
cos波と同様のことがsin波についてもいえます。
以上のことをまとめると次のようになります。
cos波×cos波(sin波×sin波)の面積 @周波数が同じとき + A周波数が違うとき 0 |
(2) sin波×cos波
それではsin波とcos波のかけ算はどうでしょうか。基本の波【W】をまずcos波にして、【A】〜【D】の波を周波数の違うsin波にしてみましょう。これをみると、かけ合わされた波はどれも面積が0になっています。
同様のことが基本波をsin波にして、かけ合わせる波をcos波にした場合にも成り立ちます。
cos波×sin波の面積=0 |
(1)と(2)をまとめると、面積を残すには
同じ周波数のcos波(またはsin波)をかけ合わせる |
とよいことが分かりました。
シミュレーションプログラムのダウンロード ◎実行プログラム「add_wave.exe」(約63KB) ◎カスタムコントロール「Spin32.ocx」(約52KB) ⇒「Spin32.ocx」はWindows\Systemフォルダに置いてください |