2.3次方程式の虚数解のイメージ化
3次以上の方程式についても,同様な方法でイメージ化することができる。
次のような簡単な3次方程式を考える。
x3+8=0・・・@
この方程式の解は x=-2,1i となり、
y=x3+8・・・A
のグラフは fig_2_2 のようになる。この x軸との交点 -2 が実数解である。それでは残りの虚数解のイメージ化を考えよう。
x=u+vi (u,v は実数) とおくと,
y=(u+vi)3+8
=u3+3u2vi+3uv2i2+v3i3+8
=u3+3u2vi-3uv2-v3i+8
=(u3−3uv2+8)+v(3u2−v2)i・・・B
yが実数になる場合を考えると,
v(3u2−v2)=0
∴ v=0 または 3u2−v2=0・・・C
このとき,yの実数部分 Real y は,
Real y=u3−3uv2+8・・・D
となる。この平面はfig_2_2のようになる。
ここで,Cの2つの場合を考えてみよう。
(1) v=0のとき (xが実数のとき)
Dより Real y=u3+8 となり,fig_2_1で示されているものと同じ実数解を持つ場合である。
このことを別な角度からイメージ化すると次のようになる。先ほどの3次元空間上の
曲面 Real y=u3−3uv2+8 と平面 v=0
の交線を考える。この交線こそuy平面 (xy平面)上の曲線となる。今度は平面 y=0 との交点(-2,0,0)が1つ存在することが分かる。これが x3+8=0 の実数解なのである。(fig_2_3参照)
(2) 3u2−v2=0 すなわち v=u のとき
Dより Real y=u3−3uv2+8=u3-9u3+8=-8u3+8
ここでy=0となるのは,−8u3+8=0より u=1 (uは実数),v=
すなわちy=0となる点はuv平面との交点 ,つまりx=1i で,これがAの方程式 x3+8=0 の虚数解となる。
このことをまた3次元空間上のイメージとしてとらえると、今度は次の3つの図形の交線と考えられる。
曲面 Real y=u3−3uv2+8 と平面 v=u
この交線(放物線)と平面 y=0の交点が となる。 (fig_2_4参照)
(1)(2)をまとめてうえから見た図が fig_2_5 である。uv平面上でこれらの3点は、原点を中心として半径2の円周上に、中心角120°の間隔で並んでいる。つまり円周の3等分点になっているのである。