新課程におけるコンピュータ(私見)
新課程におけるコンピュータ(私見)

 新課程になって既に一回り以上が過ぎた。情報化を意識してコンピュータを随所に取り入れようとしたカリキュラムが現れ、当初各学校の数学教師は大いに戸惑った。しかし、結局はそうした部分をカットすることになり、今までと何ら変わりはなかった。文部省の描いた"情報教育"の思惑は簡単に外されたと考えてよいであろう。センター試験の選択問題の中にもプログラムの問題が現れ、ほとんど意味のない出題がなされた。明らかに”愚問”と呼ばれる内の一種であろう。

 反面?普段から興味のある生徒にとっては、数列の重たい問題を解くよりもずっと楽して点数が取れてしまう。にもかかわらず、各学校で履修されないのはなぜであろうか。

 様々な要因が考えられる。しかし、そうした事態は最初から予期されていたことではないであろうか。私にはどう考えてもそう思われる。そういう状態のもとで何のケアもなしに、そうしたカリキュラムを導入した文部省、行政側に大いに疑問を持たざるを得ない。導入当初、新課程での研究会においてもっとも答弁に苦しんだのは指導主事の方々ではなかったではなかろうか。

 確かに、情報化の波は急速に押し寄せてきている。それをいかに数学教育に具象化していくか、もっとビジョンをはっきりさせた上での導入であればよい。しかし、そうしたものが欠如した上で、とにかく”情報教育”を導入させねば、という姿勢ではあまりにも無責任ではないであろうか。同じことは道研・情報処理センターにもいえる。

 もうさびついて誰も個人的にはやっていない"BASIC"をやらせている文部省・行政にはもっとしっかりと勉強してもらいたい。