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2 pLaTeX2e環境を整える

2.1 文書作成の手順

 TeXを用いて文書を作成する手順は,次のようになります.

  1. エディタで文書を作成する
  2. LaTeXで文書をコンパイルする
  3. 作成されたDVIファイルをプレビューする
  4. ファイルを印刷する

 ワープロでは書きながら画面で結果が確認できますが,LaTeXではエディタで書いている時点では,まだ結果が見えません(WYSIWYG〜What you see is what you get〜ではない).コマンドを間違えて入力してしまうと,コンパイル時にエラーが出てしまいます.

2.2 文書作成の簡単な実例

 例えば「関数y=3x2+5xを微分せよ.」という文章を作成するだけでも,そのまま打ち込むだけではだめです.テキストエディタに次のように打ちこむ必要があります.


\documentclass[a4j,10pt]{jarticle}

\begin{document}

	関数$y=3x^2+5x$を微分せよ.

\end{document}

 1行目の \documentclass[a4j,10pt]{jarticle} は,ワープロでいうところの書式設定にあたります.A4の用紙に10ptの文字で作成する,ということです.
 \begin{document} … \end{document} は文書の最初と最後を設定します.この中に文章を作成することになります.文書作成の基本的な宣言文といえます.
 $y=3x^2+5x$における $…$ は数式を作成することを宣言しているわけです.少し面倒な感じを受けますが,フォントも数式用にきちんと出力してくれます.また数式用に豊富なコマンドが用意されています.これについては後ほど,紹介したいと思います.
 基本的にマークアップ言語ですからHTMLファイルを作成するときのタグ < > と \ が同じ働きをすることになります.
 文書を作成しただけではだめです.エディタで作成した文書を「demo.tex」というように *.tex という拡張子で保存することが必要です.そして,LaTeXは基本的にはDOSベースですから,DOS窓から

   platex demo

として,コンパイルします.すると「demo.dvi」というファイルが作成され,ビューワで画面に出力することができます.

2.3 pLaTeX2e環境を整えるには

 こう考えるととても面倒です.Windowsに慣れてしまった人には,DOSはとても面倒に感じるものです.では,LaTeXで文書をもっと快適に作成するための環境を,どのように整えたらよいでしょうか.
 いちいちDOS窓からコンパイルなどとても面倒です.
 また,数学のプリントや数学に関する様々な文書を作成するには,様々な数学記号や段組を始めとした書式設定,解答用のスペース,更には図形や関数といった図なども必要になってきます.
 なにより,TeX用の様々なコマンドを覚えるのはとても大変です.そこで,次のような環境を考えてみました.

 「LabEditor」を用いると様々なコマンドをコマンドボタンから選択入力でき,またWindows上からコンパイル,プレヴューすることができるため,作業能率が格段にアップします.
 また,数学用のプリント作成のために作成されたマクロを用いることで,基本的なコマンドだけではできない数式や図などを簡単に作成することができます.
 これらを用いた文書作成の具体例を後ほど述べたいと思います.

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