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8 数学用マクロ schlmath.sty

8.1 数学用マクロ schlmath.sty の特徴

 数学用マクロ emath.sty と同様,高校数学の教材を簡単に作成することを目的としたマクロに schlmath.sty があります.このマクロの使い勝手の良さは,プリントを作る際のレイアウト構成が簡単に行えることだといえます.
 数学プリント用に余白を多く設定したり,問題番号・解答用のスペースの自動設定,空欄の番号付けなど,実際のプリント作成における実践的な細かな配慮がなされています.
 このマクロは次の作者のページから入手することができます.

「金沢君のメンテナンスルーム」(金沢光則)
http://www4.justnet.ne.jp/~mi_kana/

8.2 schlmath.sty を用いたプリント作成

 簡単にこのマクロの紹介をしたいと思いますが,詳しくは作者のページからダウンロードできる「TEX講習6.dvi」(金沢光則)をご覧ください.

  1. 余白を狭くしたページ設定と表題の設定

     まずページ設定と表題の設定を行います.次のように入力します(表題は自由に設定します).

    \documentclass[b4j,10pt]{jarticle}   %用紙・文字サイズの設定
    \usepackage{schlmath}   %パッケージの宣言
    \Shiken   %余白を少なくしたページ設定
    \setlength{\columnseprule}{1pt}   %中央の線の幅設定
    \begin{document}
    \twocolumn[\TITLE{ {\LARGE 数 学 T 練 習 問 題}
      { \large $\langle$方程式・不等式$\rangle$ }}]

     ここで \Shiken はプリント用に余白を少なくしたページ設定を行います.\setlength{\columnseprule}{1pt] では中央に引く線の幅を指定します.引かない場合は必要ありません.表題の部分の \name{}{} で氏名欄を設定します.これを実行すると,次のようになります.

  2. 問題番号の設定

     問題に番号を設定するときには,次のように指定します.

    \Toi 大項目1
       \YYToi {横中項目1}{横中項目2}\vfill
       \YYYToi {横中項目3}{横中項目4}{横中項目5}\vfill
         ・・・

    \Toi 大項目2
       \SubToi {中項目1}\vfill
       \SubToi {中項目2}\vfill
         ・・・

     大項目の問題番号はデフォルトで四角で囲んでくれます.中項目を指定するときは横にいくつか並べたいときは \YYToi,\YYYToi のように Y を並べる数だけ指定します.中項目の間隔は自動的に等間隔に並べてくれます.中項目を一つしか用いないときは \SubToi を用います.問題番号は自動的に割り付けてくれます.途中で先頭番号を変えることも可能です.
     例えば

    \Toi 次の2次関数のグラフと$x$軸との共有点の$x$座標を求めよ.
       \YYYToi{$y=x^2-3$}{$y=3x^2-6x$}{$y=x^2-1$}\vfill
       \YYToi{$y=4x^2+12x+9$}{$y=6x^2-5x-4$}\vfill

    とすると,下のような結果が得られます.ここで \vfill は縦に可変長で(等間隔で)空白を入れるコマンドです.

     問題文が長くなったときに,次の行における次下げがきちんとなされているところは細かな配慮がなされているといえます.

  3. 空欄と番号付け

     マークシート用問題作成のために,空欄と番号付けの設定が簡単に作成できるようになっています.

    \def\LabelToi{{\bf 第\theToi 問} }   %問題番号大項目のラベル変更
    \def\LabelNo{\KANA\theLocalNumber}   %空欄内の番号付けをカナで設定
    \BoxLineHuto   %空欄の枠を太くする
    \Toi (選択問題)(配点 20)\ResetNo
    初項が$-100$で公差が5の等差数列$\{a_n\}$の一般項は
       \[ a_n=\NO\left(n-\NNO\right) \]
    である。

     ここで \def\LabelToi{{\bf 第\theToi 問} } で問題番号のラベルをデフォルトの四角い枠から“第…問”と変更します.\def\LabelNo{\KANA\theLocalNumber} で問題番号のふり方をデフォルトの数字からカナに変更します. そして \ResetNo で番号のふり方を1番からに戻します.\BoxLineHuto を設定すると空欄の枠を太めにします.
     これを実行すると次のようになります.

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