大昔、人間は(1)という数が必要であった。それは、自分の捕ってきた魚や獣、家畜の数を数えるためであった。次第に、文化が発達するにつれ、物の長さや土地の面積を測るようになってきた。すると、@(1)だけでは表しきれない半端な量がでてくるようになった。その半端な数を表すために創られたのが(2)である。これにより、それまで測りきれなかった長さや面積まで細かく数字で表せるようになった。
文明ができあがって、図形に関する研究が多くなされるようになった。ギリシアのピタゴラス学派もその研究などをしていた。ところが、あるときにA教会の天井の図柄をみて、B有名な定理を発見したのだが、それにより(1)でも(2)でも表せない辺の長さを発見してしまった。これが(3)である。当時は「すべて(1)を使って数を表せる」と当然のように考えていたので、(1)自体でも、また、それを使って表した(2)でも表せない(3)を「道理に合わない数」として考えた。
商工業が発達してくると、民衆に(4)の概念がめばえてくることになる。C財産に対しての「借金」、ポーカーでの得点に対する「失点」という反対の概念を表すものとして育ってきた。しかし、実際にはインドで2次方程式の解の研究でバスカラ(12C頃)に確立されている。
16C末、ベルギーのステヴィンは、D利子の計算でわかりやすく、簡単に扱える数として創ったのが(5)の始まりといわれている。
問1 空欄1から5に当てはまる数を漢字で書け。
問2 傍線@について、今から4000年ほど前のことが書かれている「アーメスのパピルス」に次のような記述がある。
これは、「2つのものを数人で分ける」ときのために作られた式と考えられるが、最初にある
となる理屈を図など使って説明せよ。
(ヒント:「2つのものを5人で分ける」ことを考える)
問3 傍線Aについて、どんな図柄をみて発見したのか。その図柄を絵に描け(傍線Bのポイントとなる絵でよい)。
問4 傍線Bは何という定理か。次の空欄に漢字三字を当てはめることで答えよ。
( )の定理
問5 傍線Cについて、「財産」と「借金」のように「+」と「−」の関係で表せるものの例を一つ挙げよ。
(解答例:「財産」と「借金」)
問6 傍線Dについて、どちらの銀行に預ける方が得であるか。
K銀行 年利 110/664 W銀行 年利 1143/8884
(1)「60進法」
(2)「12進法」
(3)「2進法」
1 ネタット 2 ネイス 3 ネイス=ネタット 4 ネイス=ネイス |
問1 この規則から、「7」はどのように表されると推測できるか。
問2 「ネイス=ネイス=ネイス=ネイス=ネイス=ネイス=ネタット」はいくつを表すと推測できるか。
問3 われわれは「1,2,3・・・」などのアラビア数字を日常で使用している。トレス海峡の島々の人たちの数詞とアラビア数字を比較して、前者の「利点」と「欠点」について記せ。
<利点>
<欠点>
T | 1 | L | 50 | T) | 500 | ||
U | 2 | XC | 90 | (T) | 1000 | ||
V | 3 | C | 100 | T)) | 5000 | ||
W | 4 | D | 500 | ((T)) | 10000 | ||
X | 5 | CM | 900 | T))) | 50000 | ||
Y | 6 | M | 1000 | (((T))) | 1000000 | ||
Z | 7 | ((((T)))) | |||||
[ | 8 | ||||||
\ | 9 | ||||||
] | 10 |
(例)]DC]]W(1624)
問1 次の数をマヤの数表記で表せ。
(1)12 (2)345
(3)1208 (4)17320
問2 次の計算をせよ(解答はマヤの数詞でせよ)。
(1)CCXXXXVV+CLXXV
(2)MMMCMLXX−I)XC[
(1)平行四辺形
(2)台形
円の面積は、直径からその1/9をひいたものの2乗に等しい。 |
これについて次の問に答えよ。
問1 直径を2r、面積をSとしてこれを立式せよ。
問2 前問の結果から、このころのエジプト人では、円周率πはいくつととらえていたことになるか(小数第2位までを解答せよ)。
(1)カバリエリの原理から次の比を求めよ。
(円の面積):(楕円の面積)
(2)前問から楕円の面積を求めよ。