毎週水曜日定期発行
Weekly Mathematics Magazine
《数学通信》
MAT-27 1993.1.20(Wed)

★新年明けましておめでとう!!★

新年明けましておめでとう.1992年に別れを告げ,1993年を迎えた.21世紀まであと8年.20世紀の最後の節目だ.

ところで君達は,有意義に冬休みを送ったかな?遊び呆けていた者も多いのではないかな?講習にも出ずに,朝寝坊の癖をつけてしまった者,遊びすぎて,気持ちだけでなく体までもが正月になってしまった者,気持ちを早く切り替えて,3学期に臨もう!

さて,1993年,新たなる旅立ちの年の君達の大いなる抱負は?正月に何を決心したかな?まさか何も決心していないなんて言わないよね.もしまだ何も新年の抱負を決めていない者,新年の決意を持っていない者がいたら,今からでいいから抱負を決めなさい.決意を決めなさい.

間違えてはいけない.抱負を持つこと,決意を決めることと,それを公言することとはまったく別の問題である.俺は君達に抱負を持ちなさいとは言ったが,それを公言しなさいとは言っていない.自分で決めた抱負,決意は自分だけのものであり,わざわざそれを公言する必要はない.抱負や決意などは,自分が知ってさえいれば充分なことである.他の誰にも知らせる必要などは本来ない.以前にも似たようなことを確か言ったような気がするのだが,自分で決めたことを守れなくても,それは自分自身がわかっていることであり,そのときに自分自身の意志の弱さを嫌と言うほどに感じるだけのことである.要は全て自分自身の問題でしかないのだから,…

今年1年は,自分自身何にチャレンジしていくのか,しっかりした目標を持つことが,自分自身を向上させることにつながる.正月は,たかだか年と年の区切りでしかないが,気持ちを新たに,新鮮な気持ちで出発するという面で考えればいい機会だ.うまく利用していきたいものだよね.

俺の新年の目標は?俺にとっては正月よりも4月の方が区切りがいいんだが,まあせっかくの機会だからいろいろと考えてみた.その結果,今年の目標は,昨年同様,『一生懸命頑張る』に決めた.ここ数年この目標でずっと臨んでいるのであるが・・・.何を『一生懸命頑張る』のか?全てにである.仕事も,遊びも,学問も,趣味も,自分が行動するもの,考えるもの全てに対して全力で取り組むのである.この抱負で俺は去年1年間頑張ってきたし,今年も引続きこの『一生懸命頑張る』を1年間の抱負にして頑張っていくつもりである.

しかし,そうは言っても簡単なことではない.全てに全力で頑張ると一言で片付けてしまっても,実際にそれを行うことはたやすいことではない.だけど,自分で決めたのだから自分が頑張るしかない.これが他人が決めたことならば,頑張る気力も湧かないだろう.でも,自分自身に嘘をつきたくないから頑張らざる負えない.自分で決めたことさえ守れないようでは他人が決めたことなど守れるはずがないし,まして,自分自身の意志の弱さ,根性のなさ,そして自分自身を騙す情けなさを感じてしまい,明日へ生きていく活力など,勇気など生まれてこない.大変なことではあるが,自分の決意はしっかりとやり通さなければ人として恥ずかしく思う.

それと今年は新たにもう3つ目標を掲げた.1つは週に1冊本を読むというものである.俺はやっぱりSFファンタジーが好きなんだなと痛感した.この年になっても(実はまだ若いが)少年が読むような冒険小説にのめり込んでいく自分自身を抑えきれずに,ただひたすらに読書を続けてしまうのである.正月は,『風の大陸』など(8冊)を読みふけっていた.心がわくわくしながら,主人公の心に自分の心を重ねて,完全に冒険を疑似体験していた.君達は笑うかも知れないが,面白くて仕方がない,楽しくて仕方がない,本を読んで心を解放することが心底楽しいのである.『オーラバトラー戦記』が終わってしまったので,少々悲しかったが,これを機に,手あたり次第に読みたいと思っている.とりあえずは週に1冊という目標で,年間50冊の本が読めればと考えている.

それともう1つ.それはかねてからの希望に少しでも近づけるようにと,そして,高校時代のあの純粋な心を取り戻せるようにと,ただひたすらに夢だけを追い求めていたあの無垢な心を取り戻せるようにと,童話の創作を意欲的に行おうと考えている.月に1作,年間12作の作品を書ければ今年はよしとしようと考えているのだ.去年も2作,学級通信に書いたが,今年は月1のペースで頑張りたいと思っている.

そして最後の1つは大好きな冒険小説を1作書きたいということだ.沢山読んできて,ただ読むだけでは面白くないし,読めば読むほど,自分の心の中に自分の世界が形作られていくのがわかるのでその世界を文章で表したいと願うようになってきたのである.基本となる構想は出来上がっているのだが,それを文章にするにはかなりの量の言葉が必要になるのだが…,ひょっとしたら今年中には無理かも知れないが…,まあ何とか頑張りたいものだね.

去年よりも今年,今年よりも来年,昨日よりも今日,今日よりも明日,常に進歩を前進を,向上を目指して絶え間ない努力を続ける姿勢を持ち続けたいと思っているのだ.

君達もくじけそうになっても,負けずに,自分自身の甘さに,弱さに屈せず,最後まで頑張り抜いてほしい.そして最後まで頑張り抜いたときに,自分自身に対する【自信】が生まれて来るのだから.

新年を迎えて,新しい年に新しい誓いを是非とも実行してもらいたいものだ!!君達の勇気と意欲に期待している.

〜情熱の大河内先生より〜

★自分にだけは嘘をつきたくないから・・・★

新年の抱負の続きのようであるが,毎日頑張っていくことはきついことだし,大変なことだ.だが,なぜそれほどまでに,こんなにまで頑張るのか?(大河内先生は,それこそ毎日を命がけで頑張っているが….)

それは,自分自身に嘘をつきたくないからだ.自分自身を裏切りたくないからだ.自分で決めたことぐらい最後までやり通せないようでは情けないではないか.そんな自分自身の意志の弱さを,自分自身に見せつけられるぐらいならば,それこそ死んでしまった方が(ずっと)100ぐらいましだ.

去年1年間を頑張ってきたのも,自分で頑張ると決めたからだ.小テストもHome Studyも自分でやると決めたからここまで頑張ってきたんだ.今の俺が君達にやってあげられるのは,君達にみせてあげられるのは,君達に教えてあげられるのは,"頑張る"という事が,どういう事かと言うことぐらいである.だからこそ,俺が出来る範囲で頑張っている姿を君達に示してきたつもりである. このMAT Informationもそうである.誰に言われたからではなくて,自分で書こうと決めたからである.

せめて,せめて自分の事は自分で決めて,自分で決めたことぐらい最後までやり通したいものだし,そんな生き方をしたいと思っている.

他人と比べるものではなくて,自分自身との真剣な勝負である.誰に負けるよりも,自分自身に負ける事がどんなに悔しいか,どんなに情けないか!!君達も絶対に自分自身に負けないようにファイトだ!俺が応援してやるから!!!

★宿題はきちんとやってきたよね?★

冬休みの数学の宿題はもう出来上がっているよね.君達の事だから,多少不安になるのだが・・・.提出は3学期の最初の授業の時だったよね.忘れている者は早く出しなさい.

もちろん,例の”10年後の自分”の課題もだよ.

一番いけないのは,やりっぱなしだ.宿題なんか出せばいいんだろうなんて思って,答え合わせをしない,ただ空白を埋めておしまい,そんな取り組み方では君達に力はつかない.できなかった所をしっかりとやり直す.間違ってた所は,なぜ間違っていたかを探す.答えは合っているが解き方が違うときは,どちらの解き方がうまいかを考える.そういう姿勢で臨まないと,絶対と言っていいが,君達に真の実力はつかない.しっかり心しておいてほしい.

たかが宿題,されど宿題.物事に対する心意気が大切だ.どんな姿勢で臨むか?それが人の価値を決める.結果も大切だが,意欲,姿勢が大きなウェイトを占める.大河内先生の忠告をしっかりと肝に命じておきなさい.いつか私に感謝する日が来ることだろう.

Printed in Tounn.1993.
Written by Y.O^kouchi.1993.
Copyright 1987,1993 MAT Inc.
MAT is Mathematics Assist Team Corporation.