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解 答 1

着眼点

(1)基本問題
(2)次のような方針が考えられる。
 @すべての実数xに対して、ax2+bx+c≧0 ⇔a>0かつb2−4ac≦0
 A式変形
 BSchwarzの不等式の利用
(3)(2)の不等式の利用
(4)式変形を行う

解答例

(1)
  よって、 等号はx=yのとき

(2)不等式をxについて整理すると
   
 K≦1なら左辺<0となる場合が出てくるのでK>1
 xの2次方程式とみたとき、判別式をD1とおくと
   
 yについて整理すると
   
 1<K≦2なら左辺<0となる場合が出てくるので、K>2
 yの2次方程式とみたとき、判別式をD2とおくと
   
   (K−3)(K−1)≧0   K>2なので、K≧3
 よって、正の定数Kの最小値は3である。(等号成立はx=y=zのとき)

【(2)の別解】x2+y2+z2>0のとき
   
 より最小値3(等号成立はx=y=zのとき)
 (3)とおくと
   
 (2)の結果よりLの最小値はとなる。等号成立は|x|=|y|=|z|のとき
 (4)とおくとX≧0,Y≧0,Z≧0であり、
   X2+Y2≧Z2,Y2+Z2≧X2,Z2+X2≧Y2
 X=Y=Z=0すなわちx=y=z=0のときは、Mは任意の正の数で成立。
 X2+Y2≧Z2のとき
 (@)Z=0なら、z=x=0となり、X=Y=|y|>0だから
   
 (A)Z>0なら、とおくと、
   条件X2+Y2≧Z2,Y2+Z2≧X2,Z2+X2≧Y2はp2+q2≧1,q2+1≧p2,1+p2≧q2(p,q≧0)
    
 いま、p2+q2=r2(r≧1)とおくと、(p+q)2+(2p−q)2=5(p2+q2) から、
     (等号は、2p=q )
 よって
      (等号は、2p=q )
      (等号はr=1 )
 等号成立は、r=1かつ2p=qより、のとき,すなわち
    
 で等号成立は、のとき
    
 が成り立ち、等号成立は、(x2+y2):(y2+z2):(z2+x2)=1:4:5のときで
 すなわち、y=0,|x|:|z|=1:2
 故に、Mの最小値はで、等号が成り立つのはy=0,|x|:|z|=1:2のときである。

配点

(1)6点 (2)10点 (3)10点 (4)14点
講評

(1)基本問題であり、ほとんどの生徒が解答していたが、答案の書き方でミスをした生徒が多かった。

(2)K=1,2,3を代入し、K=3を解答としている生徒非常に多かった。また、式変形をおこなってはいるが、K=3が最小な正の数であることが誰が見ても明らかに分かる形にもなっていない答案が多かった。正解の答案については、式変形を用いた生徒とシュワルツの不等式を利用した生徒の2通りに分かれた。
 解答例のように判別式を使った生徒は1人もいなかった。やはり、知識としてはあるのだとは思うが、判別式が使いこなせない、あるいは計算が複雑だという理由からだと思われるが。

(3) 解答例のように置き換えて(2)の不等式を利用した生徒もいたので、大変感心した。

(4) 多くの生徒は何も書いていないで終わっているが、解答している答案は(1)〜(3)の流れで解答しているので、正解に達した生徒は1人もいなかった。

北海道千歳高等学校 教諭 大和達也
北海道札幌平岸高等学校 教諭 古川政春

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