BASICの概要
プログラムの書き方
直列型のプログラムであるが、行番号は旧BASICとの互換のためにあるだけで、記述の必要はない。制御構造、代入文、論理式などすべてBASICと同じ書式と考えてよい。関数については主要なものはあるが、必要に応じて任意の関数を内部関数定義によって作ることが可能であり、それを外部ファイルとして読み込むことができる。また、ファンクションキーに、ヘルプや機能語が割り振られているために、プログラムの作成を中断することなく、命令を挿入できたり、分からない部分の確認が可能である。
プログラムの実行画面
プログラムを実行させると、プログラム、テキスト、グラフィックの3つの画面がマルチウインドウで表示される。プログラムの内容が、数値入力、数値計算である場合は、テキスト画面が、グラフや図形を描くのであれば、グラフィック画面が立ち上がる。
曲線のグラフの描画
点のプロットにより曲線を描くということは従来のBASICと変わりはない(ただ、32bitであるから描画の速さは問題にならないが)。for〜next文によって、x,f(x)を適当回数座標平面上に落として点を結んでやるとy=f(x)のグラフが描かれる。
なお、座表設定は極めて単純である。画面上、描画の定義域、値域をset window 命令によって指定するだけである。
絵定義によるグラフの描画
「絵定義」という機能がこのBASICの「売り」である。絵を描画するプログラムを作成し、その絵に適当なラベルをつけてやると、その絵をラベルによって副プログラムとして利用することができる。そして、面白いのは、その絵を加工することが可能であるということである。加工の命令としては、
平行移動、拡大・縮小、回転、せん断
が用意されており、これらの命令は、合成することもできる。
例えば、このBASICにはCIRCLE 命令はないのだが、絵定義としてラベルCIRCLEを作り、単位円を作成してしまえば、中心(a,b)、半径rの円は、
draw CIRCLE with shift(a,b)*scale(r)
とすれば、描かれる。
自己相似図形の作成
前述の絵定義を利用すると、自己相似図形であるコッホ曲線などがいとも簡単に描けてしまう。このBASICが強力なグラフィック機能をもち、数学のような教材作成に適しているのはこの理由による。Logo言語などでもフラクタル図形を描くことはできるが、このソフトは、その手軽さ、そして処理速度で遥かに凌駕している。