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Chap.8 円々対応

 Chap6〜7で、円または直線は共役反転変換により、円または直線に移されることが分かった。これは、直線を半径無限大の円と広義にみなせば、円は円に移されるということである。例えば原点を通る円は、原点は∞に対応することから直線という円に移されるわけである。
 一般化した式でこのことを示してみよう。

 複素数平面上の異なる2点A(α),B(β)に対して、
     AP=BP
を満たす点P(z)は、線分ABの垂直二等分線を表す。これから直線の方程式は、
    |z-α|=|z-β|
    ∴ 
 これを整理して、λ=α-β,D=|α|2-|β|2 (λ∈C, D∈R) とおくと、
    
 また、点A(α)を中心とする半径rの円周上の点P(z)は、
    |z-α|=r
 これより、
    ∴ 
λ=-α, D=|α|2-r2 (λ∈C, D∈R)とおくと、
    

 以上より、直線または円の方程式は、
   
で与えられることがわかる。

 このとき、f:z →  なる変換の像wは、z= であるから代入して、
   
   
D=0のとき直線を表し、D≠0のとき円を表す。よって複素数平面上の円または直線は、円または直線に移されることが分かる。

 以上より、一次変換
   f:z → 
により、直線を広義の円と考えると、円は円に移される。

 この対応を円々対応という。

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