点円・虚円

 曲線 C:x2y2−2ax−2byd=0は,(x−a)2+(y−b)2a2b2−d より,da2b2のとき,円を表し,da2b2のときは点(円)となる。さらに,da2b2のときは虚円を表し,完全に実数平面上から姿を消してしまう。この虚円を,視覚化してみよう。

 S: f(xyz)=x2y2z2−2ax−2by−2czd=0とする。一般形に変形すると,この方程式は,

  (x−a)2+(y−b)2+(z−c)2a2b2c2−d

であるから,da2b2c2であるように,十分大きな値cをとると,

   中心(abc),半径

の球面となる。この球面とxy座標平面との交わりであるf(xy,0)=0が曲線Cの方程式を表すと考えればよい。すなわち,点円は,球面Sとxy平面が接することであり,虚円は,xy平面上方に球面Sが浮かんでいる状態を示すわけである。