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【5】コンピュータの威力


 教育の世界にコンピュータが導入されてから10数年に及ぶ年月を経過してきた。導入の初期においては"コンピュータの利用"について研究されてきたが,その間の情報技術の進歩は利用のしかたの研究から次第に教育内容を深めてゆくためのコンピュータ。更には教育環境としてのコンピュータへと変化・発展してきていると思われる。ここでは教材を如何に効果的に取り扱い説明してゆくかという立場から,この中でコンピュータがどのように活用されてきているかに的を絞って考えてみたいと思う。数学教育の教材開発の中でコンピュータが威力を発揮するようになったのは,点の動きや,図形の動きを視覚化することができるようになったこと,また立体図形を画像化することが可能となったことなどが大きな要因であると思われる。コンピュータグラフィックスの理論,技術は日進月歩といった感じで現在も研究が進められている。これからも教材内容の画像に関するソフトの開発が進められていくことであろう。札幌藻岩高校の菅原先生は軌跡を点の動き,点の集合として画像化して見せる授業を展開したが,示唆に富む実践である。また札幌稲北高校の早苗先生は,多くの先進的な取り組みを発表しておられるが,ここから貴重な指針を得ることができる。
 (別冊資料参照