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 以上考察してきた過程でx1やx2,x等の文字を使用したが,これらは整数だけでなく正負の有理数であってもよい。従って,x,yが正負の有理数のときにも次のような指数法則が成り立つ。

   ax×ay=ax+y,    (ax)y=axy,    (ab)x=axx

 既に調べてあるようにxが正負の有理数であっても(1/a)x=a-x=1/axであるから
   ax÷ay=ax×1/ay=ax×a-y=ax+(-y)=ax-y
   (a/b)x=(a×(1/b))x=ax×(1/b)x=ax×1/bx=ax/bx
が成り立つ。

 最後にaxにおいてxが無理数の場合とは何を意味するのであろうか。例えば3√2とか5π等という数が考えられるのであろうか。それともそのような数を考えるのは意味がないのであろうか。√2=1.4142135・・・であるから
   1<√2<2
   1.4<√2<1.5
   1.41<√2<1.42
   1.414<√2<1.415
   1.4142<√2<1.4143
     ・・・・・・・
となり√2は,これにいくらでも近い有理数で表わすことができる。従って
   31<3√2<32
   31.4<3√2<31.5
   31.41<3√2<31.42
   31.414<3√2<31.415
     ・・・・・・・
と3√2はどんどんある値に近づく。この値を3√2と呼ぶのである。

 或は次のような考え方もある。π=3.14159265・・・であるから
   3.1, 3.14, 3.141, 3.1415, 3.14159, ・・・・
という列は次第にπに近づいてゆく。そこで
   53.1, 53.14, 53.141, 53.1415, 53.14159, ・・・
という列が次第に近づいてゆく数を5πと呼ぶのである。このようにaxはxが有理数の場合をもとにして,xが無理数の場合で説明できるので上の指数法則はx,yが実数で実数であっても成立する。ただしこの場合はa>0とする。

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