不等進の記数法(一般化)

 図のような正方形の集まりを、4個で1本とし、5本で1枚(長方形)とするような不等進なまとめ方をするとどうなるであろうか。

 2枚と1本と3個であるが、それぞれの位でまとめ方がちがうので、これはあくまで2枚と1本と3個としかいえない。このような位取りが不等進な数え方は、時間のはかり方とか、日本の尺貫法、英国のヤード、ポンド法等にみられる。図の47個が11本と3個にまとめられ、更に2枚と1本と3個と表されるのは次のような考えから求められる。

 4個で1本とするまとめ方により11本と3個になったのは47を4で割り余りが3つで商が11だからである。引き続いて5本で1枚とするまとめ方により11本を2枚と1本とまとめ直すが、これは11を5で割ると余りが1で商が2ということを示している。

   47=4×11+3=4(5×2+1)+3
    =2×4×5+1×4+3

 この場合の2,1,3は次のようにして求められる。

(例3)482595秒は何日、何時間、何分、何秒になるか。
(解)5日14時間3分15秒である。

 次に異なる数で桁が上がってゆく場合について一般化してみよう。

 K1、K2、K3、・・・、Knをもとにして桁が上がってゆくものとする。まずNをK1で割り、商がq1、余りがr0とする。

  N=q11+r0  (0≦r0<K1)

 次に商のq1をK2で割り、商q2、余りr1とする。

  q1=q22+r1  (0≦r1<K2)
  ・・・
  qn-1=qnn+rn-1  (0≦rn-1<Kn かつ 0<q<qn<Kn)

 故に N=qn12・・・Kn+rn-112・・・Kn+・・・+r11+r0

 以上の除法の繰り返しによる余りのr0,r1,r2,・・・,rn-1とqnは次々に一意的に定まるので、従ってこの場合のNの表し方も一意的に可能となる。