練習問題 x秒後の瞬間速度ym/秒が y′=xで表わされる斜面の落下運動について、2秒後から5秒後までの間にころがる距離を求めなさい。



速度から距離を求める

 これまでは距離の式から瞬間速度を求めてきたが、ここで逆に速度の式から距離を求めることを考える。
 等速運動の場合、その進む距離は速度×時間で右の図のような長方形の面積で表わされる。

  

 この問題のような速度の変化する運動の場合、その進む距離は、瞬間速度y′と無限小時間dxとの積 y′×dx を無限に加えたものであるから、 これを y′dx と表わす。
 これは第T部でやったグラフの下の面積であり、一般的には積分で求められる。



 こうして、速度の式から距離を求める積分と、距離の式から速度を求める微分は、ちょうど逆の関係になっている。



 微分してf(x)になる関数F(x)をf(x)の原始関数という。
 この記号をつかえば第T部の定積分は次のように表わすことができる。

  微積分学の基本定理
f(x)dx=F(b)−F(a)