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5.座標平面全体の変換

 様々な図形を複素変換してきましたが,次に平面全体を変換するとどうなるでしょうか。実軸に平行な直線と垂直な直線全体を変換してみるのです。次の図は w=z2 で変換したものです。
 先ほど見たように,原点を焦点とし,実軸を軸とする放物線の集合となっていますね。

平面全体を w=z2 で変換

 それでは他の変換ではどうでしょう。代表的なものを見てみましょう。

 
w=1/z の変換   w=√z の変換
 
w=1/z2 の変換   w=ez の変換

 これらの複素変換の特徴は,任意の2つの曲線のなす角が変換後も等しく保たれているところです。2つの曲線のなす角とは,交点でそれぞれの曲線に接線を引いたとき,その接線のなす角をいいます。この様な変換を「等角写像」といいます。
 直行座標を変換したので変換後の曲線のなす角は,どれも90°になっていますね。

 

 しかし全ての点で等角かというと,そうではありません。右の変換は w=z2 ですが,原点においては90°ではなく,180°に写っています。

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