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「mathedu」の実例

〜「2円の交点を通る直線問題」を通して〜

●送信(9月4日)

 突然ですが、「2円の交点を通る直線の問題について」いろいろと、御意見をお伺いしたいと思います。
 北数教数実研の研究会の場で、札幌新川高校の中村文則先生が「Shadow Line 〜その存在性をめぐって〜 」というレポートを発表されました。
 その中での疑問についてです。
 最初の発端はこうです。(詳しい内容は http://www.nikonet.or.jp/spring/shadow/shadow.htm をご覧になってください)

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「x^2+y^2=1・・・@、x^2+y^2-6x-8y+16=0・・・A の交点を通る直線は何か」
という問題を
 @−Aより 6x+8y-17=0・・・(*)
としてしまうのは、テクニック偏重の受験数学の弊害の最たるものである
----------------------------------------------------

 そして、
  「(*)の直線は虚数の軌跡によって作られる曲線の影のようなもの」
と述べられました。
 結局は虚円の世界をイメージ化させなければ簡単には、説明できないという結論が出ました。
 しかし、その虚円のイメージ化をいかに簡単に説明するのか、が大きな問題であるということになりました。
 もしかしたら「虚円のイメージ化」という考え方から間違いなのかも知れませんが・・・。
 この考え方によらず、最初の問題をいかに生徒に説明すべきなのか、お知恵を拝借したいと思います。よいご返事を期待しております。
*******************************************
数学教育実践研究会 運営委員
 札幌稲北高校 早苗雅史 (suujitu@nikonet.or.jp)
   TEL 011-694-5033 FAX 011-694-5074
ネットワーク型教材データベース「数学のいずみ」
   URL   http://www.nikonet.or.jp/spring/
*******************************************



●返信1(9月6日)

> 差出人 : Ichiro FUKUSHIMA
> 件名 : [mathedu97-00812] Re: 2 円の交点を通る直線の問題について
> 送信日時 : 1997年9月6日 10:27
>
 始めて投稿します。福島と申します。いろいろやっています。
 「x^2+y^2=1・・・@、x^2+y^2-6x-8y+16=0・・・A の交点を通る直線は何か」
出題の内容を認めるとして問いかたに問題があるように思います。
「・・・ の交点を通る直線を一つ求めよ」ならわかります。
 こうしないと2円が接する場合でも、問題文と題意が合いません。
 私は、普通問われる、2円が2点で交わる場合でも、交点を通る曲線群をパラメータつき(斉次にするかはともかく)で出しておいて、これが直線を表すのは(パラメータ)=なんとか のとき、とやって異なる2点は直線を定めるから、(←ここで2交点の実在が使われる。)これが求める直線である。とすべきだと思っています。めんどうだけど。
 最後の証明で、「一致法」が使われます。
 単に、引けばいい、とすることがテクニック偏重なのであって、交点の存在確認をしていないことが問題なのではないと思います。
 高校生は問題文を素直に読みますし、入試でも、交点、と書いた時点で存在が仮定されるのが普通です。
 「交点を通る図形」の入試の問題でも、(慎重なところは)「直線l:(パラメータ含んだ式)は、2円:()、()の交点を通るという。(パラメータ)を求めよ」
などとして、存在(と一意性)の問題を回避しているようです。
 実際に2交点を求めて、そこから改めて直線の式を導いても多少時間がかかるだけで、全く問題はないわけです。(このダサイやり方もできない人の方が圧倒的に多いのです。)
 もともと、「交点を通る図形」は裏技に近いものですから、一度でも仕組みを正確に理解した上で、活用すべきことであり、ドリル的に練習すべき課題ではないと思います。
 私も高校1年の時、この仕組みを理解して、単なる計算だけではない数学の議論の仕組みをかいま見た気がしました。
 で、最初の問題ですが、数学(者?)の言葉づかいにしたがうかぎり、
    6x+8y-17=0・・・(*)
として、全く間違っていません。
 それどころか、どんな直線を答えてもokになってしまいます。
 実座標空間では交点集合が空集合なのですから、何も条件がないのです。
 最終結果のみの解答では、理解の確認ができないので、この問題は議論の過程または「ダサイ解き方」の経過を記述させることが必要なのでしょう。
 「交点を通る図形」の議論の理解がすべての高校生にとって必要だとの仮定の上では、「交点を実際に求めずして直線の式を求めよ」の記述の問題を出すことになります。
 幻の直線に興味を持った生徒に対しては「虚円のイメージ化」に限らず、複素化した(り、斉次化した)図形を考察することは代数幾何の方々が日常やっておられるわけで、その考え方を高校生レベルでいかにわかりやすく、当座の問題または要点にしぼって伝えるか、が課題ですね。
 京大の上野先生が著者と思いますが、岩波の講座「入門」の分冊と、もう一冊「代数幾何入門」というのがあり、代数幾何とはちょっとか、かなりか、離れた分野の私も、非常に良い本が出たと思いました。
    福 島 伊知郎
    ichiro@ms.u-tokyo.ac.jp
    nn66040@hongo.ecc.u-tokyo.ac.jp
    東京大学大学院 数理科学研究科数理科学専攻 修士課程
    (数え上げ組合せ論)
    湘南学園中高等学校/研数学館/中央区交響楽団



●返信2(9月8日)

> 差出人 : sanae
> 件名 : [mathedu97-00816] Re: 2 円の交点を通る直線の問題について
> 送信日時 : 1997年9月8日 20:50
>
早苗@数実研です。
> 私は、普通問われる、2円が2点で交わる場合でも、
> 交点を通る曲線群をパラメータつき(斉次にするかはともかく)で出しておいて、
> これが直線を表すのは(パラメータ)=なんとか のとき、とやって
> 異なる2点は直線を定めるから、(←ここで2交点の実在が使われる。)
> これが求める直線である。
> とすべきだと思っています。めんどうだけど。
> 最後の証明で、「一致法」が使われます。
> 単に、引けばいい、とすることがテクニック偏重なのであって、
> 交点の存在確認をしていないことが問題なのではないと思います。

 この事について、研究会の菅原先生から次のような意見を頂きましたので紹介します。
--------------------------------------
 転送いただいた内容についてですが、あの問題提起のきっかけは、福島さんのメールにあるような「存在確認の重要性」や「解放のテクニック偏重」に対する問題意識からではなく、「実座標平面に交点が存在しない場合においても生成される1次方程式の持つ意味は何か」という点であります。
 早苗先生も書いていましたが、後半部分の「虚円のイメージ化」に焦点があるのです。また、問題を提起した時点では、私自身、次元を拡張して「虚円」をイメージ化することすらできないでいたのです。
 中村先生のレポートはそのような状況の中から生まれたものです。
 福島さんの書いているように、代数幾何の先生方の日常的にやっておられる図形を考察する際の、複素数化、次元拡張からの射影としての考察など、思考方法そのものにも興味を持ったレポートだったのです。
 生徒達が、数学をありのままとしてみる姿勢と同時に、帰納・類比的考察、一般化をしたあとでの演繹的思考などを学びうるよい教材であると私は考えます。
 あまり、まとまった意見とはなりませんが参考になれば幸いです。
   札幌藻岩高校  菅原 満 (manchan@mti.biglobe.ne.jp)
--------------------------------------
 なお、レポート作成者の中村先生からも後日、意見発表があると思います。
*******************************************
数学教育実践研究会 運営委員
 札幌稲北高校 早苗雅史 (suujitu@nikonet.or.jp)
   TEL 011-694-5033 FAX 011-694-5074
ネットワーク型教材データベース「数学のいずみ」
   URL   http://www.nikonet.or.jp/spring/
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●返信3(9月9日)

> 差出人 : Yasuyuki Iijima
> 件名 : [mathedu97-00817] Re: 2 円の交点を通る直線の問題について
> 送信日時 : 1997年9月9日 2:12
>
愛知の飯島です。
きちんと分かっていない部分もあって,参加せずにいたのですが,変なところはご指摘いただくというつもりで,思ったことをいくつか。

In message <199709081213.VAA12736@mail.nikonet.or.jp>
"[mathedu97-00816] Re: 2 円の交点を通る直線の問題について "
""sanae" " wrote:

> この事について、研究会の菅原先生から次のような
> 意見を頂きましたので紹介します。
> --------------------------------------
> 転送いただいた内容についてですが、
> あの問題提起のきっかけは、福島さんのメールにあるような
> 「存在確認の重要性」や「解放のテクニック偏重」に対する
> 問題意識からではなく、「実座標平面に交点が存在しない場合においても
> 生成される1次方程式の持つ意味は何か」という点であります。

という内容がありました。内容としては,たしかにそうだろうと思います。
 ただ,私自身の第一印象は,冒頭が
> 以下早苗先生のメールからの引用
最初の発端はこうです。
(詳しい内容は
  http://www.nikonet.or.jp/spring/shadow/shadow.htm
をご覧になってください)
----------------------------------------------------
「x^2+y^2=1・・・@、x^2+y^2-6x-8y+16=0・・・A の交点を通る直線は何か」
という問題を
 @−Aより 6x+8y-17=0・・・(*)
としてしまうのは、テクニック偏重の受験数学の弊害の最たるものである
> 以上引用
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
********やはり,ここはかなり刺激的だと思います。 ********
どういう意味で,弊害と考えるべきか,そして,その対策はどう考えるべきかということを思うと思います。
 そして第二に,
> 以下また引用
----------------------------------------------------
そして、
「(*)の直線は虚数の軌跡によって作られる曲線の影のようなもの」
と述べられました。
 結局は虚円の世界をイメージ化させなければ簡単には、
説明できないという結論が出ました。
> 以上引用
ということでしたので,
(1) この説明は数学的に妥当か。
(2) この説明は,高校生に対する説明として妥当か。
ということを思いました。
 おそらく,早苗先生,菅原先生の第一の意図は(1)の方にあるのではないでしょうか。
 そして,少なくとも私は,このメールに対して,(2)をまず考え,次に(1)を思いました。
 福島さんも,それに近いのかもしれないと思います。
-------------------------------------------------------------
 まず,この(2)に関して,いくつか述べておこうと思います。
  「高校生にとって,虚円の存在を意識する必然性があるか」
 私は,少なくとも,99%以上の高校生(90%程度かな)にとっては,必然性はないと思います。
というのも,
(*) 得られた結果を元の状況で確かめてごらん。おかしいでしょ。
式操作だけじゃ,必要条件にしかならないから,十分かどうか,確認する必要がある。
という教訓で,納得してしまうと思うからです。
 もし,納得しないとしたら,高校生に対しては,次の説明でもいいのではないでしょうか。
(*) 連立方程式は,方程式「系」で意味を持つ。
たとえば,連立一次方程式では,3変数なら3つの方程式系を同値変形することによって,最終的には, 「x = , y = , z = 」という3つの方程式(解)に帰着する。
ここも,そういう考えで見てみると,
x^2+y^2=1・・・@、
x^2+y^2-6x-8y+16=0・・・A
を変形して,
   6x+8y-17=0・・・(*)
のみが単独で得られているわけではない。なにしろ,変数の数も減っていない。
 だから,基本的には,方程式系として,
x^2+y^2=1・・・@、
   6x+8y-17=0・・・(*)
いうペアを考えるということで言えば,やはり,この二つを満たす点はないということになるんだよ。
というような状況でいいのではないかと思います。
 もし,2次以上の方程式系に関しては,1次の場合とはかなり違い扱いをしなければならないというようなことがりましたら,ご指摘ください。
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 さて,(1)に関しては,率直に,「面白い」と思いました。
そして,
* 同心円の場合
* 円の大きさが異なる場合
をすぐに思い浮かべてみました。当たり前ですが,同心円の場合には,交点はありません。
式もできません。円の大きさが異なる場合, ホームページの方で書かれていた二つの双曲面をイメージすると,「直線じゃないて2次曲線かな」とも思いつつ,式の面では,2次の係数を1にそろえれば,消えること,また幾何的には根軸のことを考えると,妥当なことから,一定の理解ができます。さらに,「円」でなく,「楕円」などを考えると,「影」は直線にはならないことも示唆されます。
 そういう楽しみを与えてくれるだけで,このレポートは面白いと思いました。
 「影」と見るのが,平面としてみるのがいいかどうかは,なんとも言えません。
 自分自身は,ホームページの図をみながら,二つの双曲面の交線がこの図で見ると,同一平面内になることを式にまとめられること。つまり,さきほどの,
x^2+y^2=1・・・@、
   6x+8y-17=0・・・(*)
の理解の妥当性を確かめたことになります。
 もちろん,その面とxy平面の交線としての直線は,影ともみることはできますが。
-------------------------------
 再び,「高校生に適しているか」
 一つの難しさは, xy平面を複素化することによって,必然的に4次元になってしまうことが,特に高校生への話題としては,結構厳しいものがあるように思います。
 私自身が高校生のとき,また大学生のときに友達と議論した話題の一つに,
   x ^2 + x + 1 = 0
の解はどこにあるのか
というのありました。つまり,同じ数学の授業において,
(1) 解析のときは,実数で考えるので, D < 0 なので,解はない, また二次関数のグラフは交わらないと考える。
(2) 代数のときは,複素数で考えて,「ある」という。
 なんとな,矛盾めいたものを感じる生徒は多いのではないでしょうか。あるいは,(1)は実数だけだったら,「ない」のだけど,「複素数」まで拡張すると,「ある」はずだ。
そのときに,2次関数のグラフ(あるいはその一部)はどのように考えることができるのか。
ということは,まあまあ適した素材になるのではないでしょうか。ちなみに,私自身は,定義域のみを複素数にして,値域が実数になる場合のみについて考えました。
 もっと拡張してみてもいいのかもしれません。
 「虚円」について考えるとしたら,この手の議論を少しして,複素数への拡張に慣れてからがいいのではないかというのが,私の意見です。
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愛知教育大学 数学教室 飯島康之
Yasuyuki IIJIMA
Aichi University of Education, Department of Mathematics
yiijima@auecc.aichi-edu.ac.jp
http://www.auemath.aichi-edu.ac.jp/teacher/iijima/
tel(fax): 0566-26-2329
Math Dep./ tel 26-2334, fax: 0566-26-2320
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●返信4(9月9日)

> 差出人 : Akio Furukawa
> 件名 : [mathedu97-00819] 円の交点を通る直線についての ちゃちゃ
> 送信日時 : 1997年9月9日 8:32
>
古川です。
投稿者の議論の本論とははずれますが、ちょっと疑問に思ったので一言。
At 22:10 97/09/04 -0000, sanae wrote:

> ----------------------------------------------------
> 「x^2+y^2=1・・・@、x^2+y^2-6x-8y+16=0・・・A の交点を通る直線は何か」
> という問題を
>  @−Aより 6x+8y-17=0・・・B)
> としてしまうのは、テクニック偏重の受験数学の弊害の最たるものである
> ----------------------------------------------------

というような意見があるようですが、テクニック偏重の受験数学かどうかは教え方だけの問題ではありませんか?
「@ と A の交点を求めて見よう。
 それは、素直に2次の項を消去して @ と B  の交点だよね。
 じゃあ、@とBが交点を持つとしたら、その交点を通る直線の式は何?
 だって、Bは直線の式だから、Bそのものだよね。
 じゃあ、本当に@とBが交点を持つかどうかチェックしてみよう。」
っていうだけのことで、 何がテクニック偏重で、どこに 弊害があるのかなぁぁ?
 ご教示頂きたいと思います。
 世の中に、受験数学というものが本当にあるのでしょうか?
 もし、あるとすれば、それを作ったのは誰?

----------------------------------------------------------------
FURUKAWA Akio Math Teacher of Scientific Education Group
Email fakio@seg.co.jp Phone +81-3-3366-1466 Fax +81-3-3366-1689
c/o SEG, 7-19-19, Nishi-Shinjuku, Shinjuku-ku Tokyo, 160, JAPAN
IPadrs 202.33.199.66 Pager 03-6574-2558
URLadrs http://www.seg.co.jp/fakio/
古川 昭夫  〒160 新宿区西新宿7-19-19 SEG気付
----------------------------------------------------------------



●返信5(9月9日)

> 差出人 : Masami Isoda
> 件名 : [mathedu97-00820] Re: 受験数学を作ったのは誰?
> 送信日時 : 1997年9月9日 9:02
>
古川先生
礒田@筑波大です。
Akio>世の中に、受験数学というものが本当にあるのでしょうか?
Akio>もし、あるとすれば、それを作ったのは誰?
前の文脈抜きに読んだのですが、これ、面白い問題提起ですね!



●返信6(9月9日)

> 差出人 : 川上公一
> 件名 : [mathedu97-00821] Re: ちゃちゃ
> 送信日時 : 1997年9月9日 10:05
> 岡山の川上です。
> 古川です。
> 投稿者の議論の本論とははずれますが、
> ちょっと疑問に思ったので一言。
> At 22:10 97/09/04 -0000, sanae wrote:
> > ----------------------------------------------------
> > 「x^2+y^2=1・・・@、x^2+y^2-6x-8y+16=0・・・A の交点を通る直線は何か」
> > という問題を
> >  @−Aより 6x+8y-17=0・・・B)
> > としてしまうのは、テクニック偏重の受験数学の弊害の最たるものである
> > ----------------------------------------------------
> というような意見があるようですが、
> テクニック偏重の受験数学 かどうか
> は教え方だけの問題ではありませんか?
古川さんのお考えを支持します。
私は、授業はここから始まるのではないかと思うのですが。どうでしょう。
既習の知識で解いた問題が、実は変な答えが出てきているというのはよくあることですよね。
「どうしてだろう」と考えることから授業は始まると思うのです。そういった意味でこの問題は、とっても魅力的な「学習課題」だと思います。
 @−Aより 6x+8y-17=0・・・B)
としてしまうテクニックを持っている生徒こそ、こう言った学習課題に進んで取り組むのではないでしょうか。
> 「@ と A の交点を求めて見よう。
>  それは、素直に2次の項を消去して@ と B  の交点だよね。
>  じゃあ、@とBが交点を持つとしたら、その交点を通る直線の式は何?
>  だって、Bは直線の式だから、Bそのものだよね。
>  じゃあ、本当に@とBが交点を持つかどうかチェックしてみよう。」
私の授業であれば、ここまで言わないでしょうね。
「直線の式ができたね。グラフを黒板に(コンピュータで)かいてみるよ。」(と言いながらBからかく)
「あれ?」
これで十分じゃないでしょうか。この後の議論は生徒にまかせたいものです。
最後は、「そういえば、中学校のときにも、方程式は解けたけど答えがないなんていうのがあったよね。何だった?」
「二次方程式」
「これも2乗がでてくるよね。」
ここで終わるかな。
隣の大月一泰は、「また始まった。そりゃ川上数学教室じゃ。」と言ってますが・・・。
-----------------------------------------
岡山大学教育学部附属中学校数学科
    川上 公一
E-MAIL:kouiti@edesrsews1.fuzoku.okayama-u.ac.jp
 岡山市東山2−13−80
TEL : 086-272-0202
 fax 086-272-7941
--------------------------------------------
WELCOME "MATH-CUT STUDIUM"(our home page)
http://150.46.175.4/kyouka/math/math.html



●返信7(9月9日)

> 差出人 : Ichiro FUKUSHIMA
> 件名 : [mathedu97-00823] Re: 円の交点を通る直線についての ちゃちゃ
> 送信日時 : 1997年9月9日 11:58
>
福島です。
引っかかっていた点は
> 何がテクニック偏重で、
> どこに 弊害があるのかなぁぁ?
>世の中に、受験数学というものが本当にあるのでしょうか?
>もし、あるとすれば、それを作ったのは誰?
 古川先生にずばり解明されてしまいました。
 「テクニック偏重」はともかく、勉強の仕方の問題として、生徒との間で、いわゆる「和田式数学」がよく話題に上ります。
 これについても議論してみたいものですが…とりあえずおいて、飯島先生、古川先生、川上先生の書かれたことを見て、私も狭い発想になっていたと、気づきました。
 定理「f(x,y)+kg(x,y)=0 は、…」
というstatementが先に与えられて、f(x,y)=0 かつ g(x,y)=0 の点は確かにこの式を満たすな、と納得していくのと、
 f(x,y)=0 と g(x,y)=0 を連立方程式として実際に解こうとすると…、
とやるのでは、後者の方が手続きとして頭に入っていきやすいですね。
 日頃私が批判している、「教科書を教える」発想に自分がなってしまっていたようです。
 本論の方へ戻ります。
 昨年度、「複素数平面」の授業をした後の話です。実際に平面に図示できるのだから、実在する数なんだよ、と納得させたつもりでいたのに、相変わらず「虚数は実在しない数」と思っている生徒がいました。
 その時の私は、生徒を引き付ける授業になっていなかったのでは、と自分の力不足に原因を求めました。いまは、それもあったが、むしろ複素数のありがたみが実感できる教材が見当たらないことが問題ではないかと思っているのです。
 今後のカリキュラムの展望として、複素数は高校で教える必要がないのではないかという先生もいらっしゃいますが、複素数を扱う必要をとりあえず認めるとして、そのありがたみを感じさせてくれる教材が必要です。
 「3次方程式の解の公式」では、お話に終ってしまいます。
 「2曲線の交点を通る曲線」の授業としてはやりすぎな気もしますが、「複素数を考えて良かったね(あるいは複素数の痕跡)」の教材の有力候補と考えられますね。
    福 島 伊知郎
    ichiro@ms.u-tokyo.ac.jp
    nn66040@hongo.ecc.u-tokyo.ac.jp
    東京大学大学院 数理科学研究科数理科学専攻 修士課程
    湘南学園中高等学校/研数学館/中央区交響楽団


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