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(5)2次曲線(楕円)

 「2定点F,F’からの距離の和が一定である点Pの軌跡」として楕円は定義されている.無限に存在する平面上の点から条件を満たすPを探すのは大変であろう.しかし,敢えてそれを探し出す作業を通して生徒達は楕円を自然に理解するのではないかと考える.

PF+PF’=10を満たす点を探せ@〜Geometric Constructor

 2定点F,F’を定め,平面上に点Pをとったときに2点へ距離の和と10との差が正の時は,0のときは,負の時はをそれぞれ色を変えて示してくれる.Geometric Constructor(以下 GC)のマニュアルに記載された例であるが,準備は以下の如く大変簡単である.

  1. [作図→点→新しい点の追加→新しい自由な点]で3点A,B,Pを設定する
  2. [[測定→距離→2点] でAP,BPの距離を変数に設定する.
  3. [測定→数式]から新たな変数 AP+BP−10を設定
    ここまでで,画面左下にA,B,Pの位置に応じたそれぞれの変数の値が表示される. C[軌跡→設定→変数]でBで作ったAP+BP−10を選択する

 準備は以上である.マウスで画面の一点をクリックするとが表示される.

 しばらく生徒に自由に調べさせる.[F9]キーで軌跡を残せば,調べた点の残像が残ることを伝え.しばらくすると楕円が浮かび上がる.


PF+PF’=10を満たす点を探せA〜プリント教材で手作業をさせる

 私の勤務校のようにまだパソコンが設置されていない学校は皆無としても,パソコンが旧式でここにあるソフトが使えないといった人もいると思われる.それらの学校でも大抵は学校内に幾分新しめのパソコンが教師用としてあるものだ.ここに紹介したソフトウェアはプレゼンテーション以外にもまだまだ利用の方法はある.特に,その作図・グラフの美しさである.鉛筆とコンパスとであれば数時間かかる作業がほんの数分で完成してしまう.しかも,その図を今やプリント教材にそのまま使えるのである.このレポートもそのようにして図を貼り付けて作っている.

 これらのソフトウェアを動かせるパソコン1台あればプリント教材の素材作りに十分利用できると思われる.ここでは,上記のテーマを満たす素材をGRAPESを用いて作成してみよう.

《楕円作図用2心円群》
@[基本図形→円]から(x:=−2 , y=0 , r=a, [円周;細;残像ON] )
A[基本図形→円]から(x:= 2 , y=0 , r=a, [円周;細;残像ON] )
B目盛り・座標軸は[オプション]で指定して不可視とする
C【パラメータ】でaを変化させる(0.2ぐらい幅で変化させると見やすい)

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