「、、とォ〜じゃ …いを調べてくれ。あとは頼む……。」うっっ〜と言い残し、この世を去った学者のおじいちゃん。
後継ぎのケンジは、将来本当に学者になり、おじいちゃんの言い残した言葉の式の研究をしている。
夏の暑い夜、おじいちゃんの亡霊が、残業していたケンジの前に現れた。ケンジは、驚かなかった。おじいちゃんは、参考になることを言い残していってくれた。「あの時、言い忘れたんじゃが…グラフ…あの〜不等号の向きのグラフの位置で考えると良いはずじゃ。」
ケンジは、の式を当てはめてみた。の場合、グラフでは異なる2点が出現した。は、共有点を持たないグラフと解明できた。しかし、たった一つ の式が解明できなかった。なぜなら、不等式ではなかったからだ。頭の固いケンジは、研究を保留しようとしていた。
その時、出前を取っていた“うな重”が届いた。亡霊のおじいちゃんが、また現れた。ケンジは、うな重を食べていたとき、亡霊のおじいちゃんは、つぶやいた「うな重かい?」それを聞いてケンジは、はっ!とした。鰻だけを食べてしまっていた“うな重”は、さっきのおじいちゃんの「うな重かい?」に当てはめると、“うな”が抜ける。そして残った言葉が“重かい”…「重解!!!」。ケンジは、出前を食べるのを忘れ重解を辞典で調べた。
そうして、再びの式に当てはめグラフを書いていくと、ある数“α”の個数であることが解った。こんな大きな発見は、10年ぶりだとケンジは喜んだ。
のときに於いて、の“α”の数は、“α”以外のすべて、のときは0個、のとき、すべての実数(αも含む)のとき、αのみとなることが解った。
こうしてケンジは、ノーベル賞をもらい、念願のケンジ数学研究所を立てることができたとさ。
♯寸評♯ 何と言っても「うな重かい!?」「重解」が絶妙のタイミングで物語全体にインパクトを与え、興味を引かれました。最後のまとめを、もう少し丁寧にまとめて欲しかったです。また、この物語には時間的なトリックがありました。それは、辞書に"重解"が載っているようなら不等式の解法も載っていることでしょう。 |