毎週水曜日定期発行
Weekly Mathematics Magazine
《数学通信》
MAT-02 1992.7.8(Tue)

★期末考査の結果に憤慨する!!★

あまりの悪さにがっかりした.頭にくるのを通り越して,本当にがっかりした.たかだかあの程度の問題に対して,君達の力を持ってして,たったその程度の点数しか取れないと言うのは余りにも情けない.試験前に配ったプリントやHome Studyをきちんと復習しておけば100点に近い点数を取っても不思議ではない.

自分が教えた自信もあったし,君達に対する信頼もあった.試験問題を見たときに,”これなら平均は70点を軽く超えてしまうぞ!!”そう思っていたのに・・・.

俺のために君達が勉強しているのではない!全ては自分自身のためである!今という時間の全ての行動が,今という時間の全ての努力が,君達の”将来”という明日につながっていくのだ!!そのことを本当に君達は理解しているのだろうか?

今回の結果を見る限り,君達の気持ちの中に,”まあ,何とかなるだろう?!たかが1回の期末試験だし,この試験で人生がきまるわけでもない.なるようにしかならないのだから,あまり頑張っても仕方がないや.それに,どうせ頑張ったっていい点数が取れる保証はないのだから!”そんな気持ちがほんの少しでもなかっただろうか?

もう一度自分自身の心の中に,気持ちの中に確認を取ってみてほしい.

君達の力はこんなものではない.限りない可能性を秘めているのだ.その可能性をお笑いでごまかさないでほしい.その可能性をオチャラケでつぶさないでほしい.

やれるだけの事をやって,自分の持てる力の全てを出して,そしてこの結果,それであればもう何も言わないし,よく頑張った,この次はもっと頑張ろう!そう声をかける!もちろん中にはそういう生徒もいる.一生懸命頑張っていい点数を取った者,一生懸命頑張って,それでも点数が思うように伸びなかった者.そんな生徒までをも一緒に怒っているのではない!!努力をしなかった者に怒っているのである.君達の中にはたかだか3ヶ月の高校生活で,すっかり気持ちが馴染んでしまって,気の抜けてる者がいるから,だからこうして文句をいっているのである!

この次はこんな事のないように,しっかりと勉学に励んでほしい.人生は君達が思っているほどに長くはないし,本当に勉強ができる時間は本当にわずかしかない.今を逃したら,もう二度と訪れないかも知れない.余程強靭な意志の力を持った者でない限り・・・.

次回の君達の頑張りに期待する!!

★学校祭が近づく!!★

期末考査が終了し,あとわずかで,1学期の一大イベント”稲雲祭”が始まる.1年生の君達にはかなり荷の重い行事ではあるが,だからと言って,それを投げ出す事は出来ない.持てる力の全てを出して頑張ってほしい.

しかし,1つ忠告をしておこう.稲雲祭に一生懸命になる事はいい事である.それを悪いとは言わないし,稲雲祭に一生懸命になっている姿を見てもそれを笑ったりはしない.いや,むしろ頑張っているなと認めてあげるよ.でも,だからと言って,勉強をしなくてもいいとは一言も言わない!稲雲祭は稲雲祭,勉強は勉強である.

どんなに疲れて家へ帰っても,絶対に毎日の勉強を欠かしてはいけない!そんな事を今更言われたって,もう既に家庭学習なんかしていないんだから無理だよ!そんな事を言うような奴は論外である!.

毎日勉強する事は,実は口で言うほどに優しい事ではない.できる事ならさぼりたい.1日ぐらいやらなくたって,誰にも分からない!その通りである.勉強は自分のためにするものであるから,他人に言うような事ではない.だから,自分が勉強したかしなかったかは,自分だけしか知らない.他人は知らないのである.でも,どんなに他の誰もが知らなくても,自分自身が知っているのである.他の誰でもない自分自身が・・・.自分に嘘をついてまで,勉強をさぼる,それは自分の心に恥べき行為である.

忙しさにかまけるな!!自分の心の弱さに負けるな!!

雨が降ろうが,槍が降ろうが,稲雲祭があろうが,デートがあろうが,毎日勉強しなさい!!!

★数学は魅力的か?★

数学は面白いか?当然である.数学は魅力的か?当然である.どこが面白いか?どこが魅力的か?そんな事は自分で考えろ!そんな事は自分で見つけろ!と言いたいがまあ,今日は特別にほんの少し,数学の魅力を話してあげよう.

数学の魅力,それは解けないところにある.一生懸命,一生懸命考えて,それでも思うように解けない,これが数学の一番の魅力だ.

ちょっと待て!解けないのにどうして面白いんだ?と思うかも知れない.でも,そう思うのは,数学を解いた喜びを知らない者が言う台詞だ.本当に数学の魅力にとり憑かれた者は,その誰もが数学の奥深さに,その難解さに,その曖昧さに,虜になっていく.

ある意味で,数学は人生に似ている.人生もまた,生きていく事が苦しいから楽しいのである.自分の思うようにならないから面白いのである.人生を理解できない者に,真の数学の魅力は理解できない.真の数学の魅力が理解できない者に,人生は理解できない.

”数学へ入る門は広い.されど,数学に至る門は狭い.”

解けない問題にぶつかったとき,投げないで,答えを見ないで,3日考え,5日考え,ひらめいた時の喜び,そして,そのひらめきが間違っていたときのショック.更に,1週間,10日考えて解けた瞬間の感動.このときの感動を,味わった者でしか分からない.実に最高の喜びだ.陶酔しきっている.

誰でも数学へのチャレンジはできるが,数学に真剣に,そしてひたむきに取り組む者にしかその門を開かぬ”数学”.この魔力に取り憑かれた者は,一生”数学”の世界をさまようしかない.俺もその一人ではあるが,この世界の心地よいこと.

さあ,君もおいで!魅惑の数学の世界へ!

★椎木先生,次男誕生おめでとう!!★

椎木先生(1年2組の副担任で,地理を教えている今年来た30過ぎの新卒先生です.)の所で待望の次男が生まれた.喜ばしい事です.心からおめでとうと言おう!

Printed in Tounn.1992.
Written by Y.O^kouchi.1992.
Copyright 1987,1992 MAT Inc.
MAT is Mathematics Assist Team Corporation.