毎週水曜日定期発行
Weekly Mathematics Magazine
《数学通信》
MAT-44 1993.4.28(Wed)

★C&G★ Clean & Green 〜美しき地球を子ども達に託したい.〜=Part-3=

人口を減らす方法が全くないという事ではない.方法はある.最良の方法ではなく,それこそ最悪の方法でではあるが・・・.そう,戦争である.ただし,この次世界大戦が始まれば人類だけが滅びるのではなく,地球そのものが滅びてしまう恐ろしい結果になる事が目に見えている.だが,残念ながら,悪い事に,それ以外に人口を減らす方法がないのだ.

誤解しないで欲しい.何も俺は戦争をすればいいと言っているのではない.戦争など反対である.許されるべき行為ではない.人が人を傷つける,最前線で銃を向け合う兵士達に何の恨みや憎しみがあるだろうか?お互いに.あろうはずがない.ただ単に敵を倒せと命令されて,自らの命を守るが為に銃を射つ.自分の家族の将来を守るべく銃を射つ.動物達が自らの縄張りを守る為に戦うのとは違う.動物達は同種族同士では決して殺し合ったりはしない.もちろん,自分のテリトリーを守るために戦いはする.だが,人間のように愚かではない.殺し合うまではしない.

今の生活を捨てられず,けれども人類の将来に不安を抱き,地球のゆく末を心配している自分の姿は,端からみればさぞかし滑稽な事だろう.今自分が何をすればいいのかさえも解らずに,ただ毎日を,ただ呆然と過ごしている.そんな俺の姿は矮小でしかない.情けないピエロのようであろう.

自分の無力さを痛感するかのようなニュースに出逢う度に,自分の手を見つめる.やるべき事があるはずなのにそれを見つけられない,そんな自分の手を見つめる.

君達をきっとまだそんな事さえ感じた事がないだろうと思う.俺もそうだ.自分が親になってから特に考えるようになった.それまで漠然とした思いでしかなかった物が,親になってから確実に一つの形をなそうとしている.それが,その一部が,この3枚のMATInformationに綴られた想いだ.

うまくまだ言えないのだ.まだ頭の中で漠然としているのだ.心の中ではしっかりと形になっていても,頭の中ではまだ漠然としているのだ.言葉に置き換えていこうとすると,言葉が洪水のように溢れてきて,うまくまとめられない.一つの想いから千の言葉が,万の言葉がほとばしり,それを心のままの言葉に置き換える事がうまくできないのだ.言いたい事がありすぎて,語りたい事がありすぎて,思いだけが先走り,言葉がそれを追おうとして,津波のように襲ってくるのだ.

自分の中に矛盾を抱えながら過ごす毎日はつらい.

現実の社会は日毎に自然を食いつぶしていく.それも俺の目の前で,君達の目の前でである.心の中ではその現実を見つめて叫び声をあげている.だが,その叫び声は声にならない.想いばかりが募り言葉にならず,声にならない叫び声をあげているのだ.

つらくて,つらくて逃げ出したくなる.そんなことどうでもいいや!!俺の知ったことじゃない!!そうすべて捨て去りたくなる.が,そんな事ができるのならば苦労はしない.そんなに簡単に投げ出せるのであれば苦しんだりしない.投げ出せないから,捨て去れないから苦しむのである.自分の無力さ,非力さに情けなくなるのである.

何かしなければ・・・,そんな思いに悶々とした日々が続く.眠れぬ夜が続く.うっすらと白んでくる明け方の空を見ながら,いったい俺は何をやっているのだろうと,さらに自己嫌悪に落ちいっていく.”うわー!!”と大声で叫びたくなる.叫んだところでどうなるものでもないのだが,心の中に溜まった,行場のない,やり場のない,この思いのたけを少しでも俺の外へ発散させたい.

が,それさえもできない.ああ〜.

この苦しみを君達にも味わって欲しい.純粋のものとして,そう,決して嫌がらせではなく,純粋な想いとして,この苦しみを味わって欲しい.そして,正面からこの苦しみに立ち向かって行ってもらいたい.一人でもこの苦しみを味わってくれる者が増えれば,一人でもこの苦しみに立ち向かって行ってくれるものが増えれば,少しは地球は,俺の想いに,願いに近づいて回復して行くのではないのかなと思う.淡い期待でしかない.儚い望みでしかないかもしれない.

でも,何もしないよりは絶対に,そう,絶対にましである.

今はそんなささやかな希望ではあるが,俺の想いを少しでも理解してくれる人が増えれば,きっと地球を救う方法が見つかると思う.見つけられると思う.それは俺でなくてもいい.この母なる地球を救う方法を見つける事ができれば,この地球を救う事ができるのであれば,それを見つけるのが,それを行うのが俺でなくてもいい.君達でいい.君達の子供でいい.

俺の願いである.

C&G,Clean and Green,美しき地球を子供達に託したい.

この,青く,美しかった地球が再び,青く美しい地球に戻る事ができるのであれば・・・.

★Golden Week迫る!★

明日からゴールデンウイークが始まる.まあ,とは言っても君達は4/30,5/1と登校し,授業を受けなければならないから,正しくは,5/2からという事になる.そんな事はどうでもいい.

俺が言いたいのは,しっかり勉強しろよ!!という事である.ちゃんと数学の課題も出た.君達の事を思い,心優しい大河内大先生は,この多忙にも関わらず君達に絶対にマスターして欲しい三角方程式,三角不等式の課題を作った.なんて偉いんだ!!きっと君達も嬉しくて嬉しくて涙を流して喜んでいるのではないかと思うのだが.そんなに喜ばなくてもいい.大した量ではないのだから.

何はともあれ,遊びすぎるな!遊んではいけない!!などと,野暮な事はいわない.せっかくのゴールデンウイークである.おもいっきり羽を伸ばしてもいい.もちろん,家族から愛されていればの話しである.家族から愛されていなければ,せっかくのゴールデンウイークも,どこへも連れていってもらえず,ただ,ぶらぶらと家の近くでゴロゴロしているしかないのだから.悲しいね.普段の行いがこういう時にものを言うのだよね.なんて言うかって?決まってるじゃない!”お前なんか遊びにつれてってやらん!!”とね.

おいおい,本当に気を引き締めてかかれよ!何しろ,ゴールデンウイーク明け10日で,実質1週間で早くも中間考査だ.もう本当にあっという間しかないのだぞ.

最初が肝心!スタートで出遅れると,今回からは辛いものがある.何しろ136人しかいないのだ,U類型は.君が頑張った分は誰かが下がる.それは今に始まった事ではないが,今まで以上に,実感としてそれがひしひしと伝わってくるのだ,人数が少ないと.心して,かかれ!もちろんみんなが頑張らなければいけないのだよ.えっ?それなら私は頑張っても上に上がれないでしょうって?まあ,そういう結果が出る事もあるよね!でも,やってみないと!

Printed in Tounn.1993.
Written by Y.O^kouchi.1993.
Copyright 1987,1993 MAT Inc.
MAT is Mathematics Assist Team Corporation.