毎週水曜日定期発行
Weekly Mathematics Magazine
《数学通信》
MAT-50 1993.6.8(Tue)

★ラムサール条約釧路会議開催!!★

明日より1週間の会期でラムサール条約釧路会議が開催される.釧路湿原の保護と有効利用を含めた,世界の湿原の保護と共存の道を模索する会議である.

自然保護と,一口に叫ぶが,言うほどに易しい問題ではない.様々な要因が絡み合っている.1つの問題を解決すればそれで解決するほどに,それほどに単純ではない.だからこそ悩むのである.

下の文は,4年前に,そう,俺がこの稲雲高校に来た年に始めたMAT Informationの第9号の記事である.この時,釧路の研究会に行って来たので,釧路湿原を直に見ている.そしてそのときの思いをそのまま帰ってきてから書いたのである.ここに書いた,当時の俺の想いに今も変わりはない.未だに心の中のジレンマと戦っているのである.

我々北海道に暮らす者は,この豊かな自然をさも当たり前のように受け止めている.だが,現実は違う.毎日確実に豊かであるはずの自然が削り取られていっている.誰によって?とりもなおさず,それは我々自身によってである.

君達が大人になる頃,君達の子どもが大人になる頃,北海道のこの豊かな自然はどうなっているのだろう?

その心配を込めて,君達の将来の活躍に期待したい.高校,大学は,知識を学ぶところではない.知恵を学ぶところである.心有る,そして知恵もある者となって,各分野のトップで活躍するようになって,この豊かな自然の保全に努めてもらいたい.俺は,俺の出来ることをする.だからこうして,ここで叫んでいるのでもある.そのために数学が必要であれば,俺は惜しみなく協力するぞ!!

Printed in Tounn.1993.
Written by Y.O^kouchi.1993.
Copyright 1987,1993 MAT Inc.
MAT is Mathematics Assist Team Corporation.