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問 題 4

問題文

 a,bを整数として,a=a+bに対して,N(α)を
   N(α)=α2−3b2
と定義する。例えば,N(3+2)=32−3・22=−3
 いま,2つの数の集合
   A={α|α=a+b (a,bは整数)}
   B={α|αはAの要素で かつ N(α)=1}
について,次の問に答えよ。

(1)  Aの2つの要素α=a+b,β=c+dに対して,
   N(α・β)=N(α)・N(β)
が成り立つことを示せ。

(2)  Uの要素αに対し,α2 および 1/α がUに属していることを示せ。

(3)  3n2+1が平方数(自然数の平方である数)となる自然数nが無数にあることを示せ。

着眼点

(1) αβ=(ac+3bd)+(ad+bc)
等式 (ac+3bd)2−3(ad+bc)2
   =(a2−3b2)(c2−3d2)
を示すことになる。
(2) (1)より,N(α2)=(N(α))2=1

N(1/α)=a2−3・(−b)2=a2−3b2=1
(3) Uの要素の1つとして,2+=ωがある。
ω>1より,ω<ω2<ω3<…<ωl<…

解答例

(1) αβ=(a+b)(c+d)
  =(ac+3bd)+(ad+bc)
N(αβ)=(ac+3bd)2−3(ad+bc)2
  =a22+6abcd+9b22−3a22−6abcd−3b22
  =a22−3a22−3b22+9b22
  =(a2−3b2)(c2−3d2)
  =N(α)N(β)  (証終)

(2) N(α)=1だから,(1)より
N(α2)=(N(α))2=1
もちろん,α2∈Aだから,α2∈U,α=a+bとおくと,
    (∵a2−3b2=1)
   N(1/α)=a2−3・(−b)2=a2−3b2=1
1/α∈Aだから,1/α∈A (証終)
(3) N(2+)=22−3・12=1
よって2+∈U
 いま,2+=ωとおくと,ω>1だから,
   ω<ω2<ω3<ω4<… で,ω∈U(l=1,2,3,…)
ω=a+bとおくと,
   N(ω)=a2−3b2=1
   ∴3b2+1=a2
ωl+1=ω・ω=(a+b)(2+)
   =(2a+3b)+(a+2b)
  bl+1=a+2b>b
  b1<b2<b3<…
よって,3n2+1が平方数となるnとして,b1,b2,b3,…があるので,無数に存在する。 (証終)

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