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解 答 1

着眼点

(3)の式は、オイラ−が考案したと云われる素数を作り出す2次関数です。この導出を問題としました。最初、この2次関数をどのように発見したのか難しく考えていたのですが、まだ数学の理論が整備されていなかった時代であることを思えば、問題のように「エラトステネスのふるい」でも利用したのだろうと推測しました。18世紀最大の数学者、天才オイラ−にしてみれば手計算もしないで、すぐさまたどり着いた結論だったかもしれない、その追実験に皆さんは取り組んだわけです。

解答例

(1)直線であるためには、yの値の増加率が一定であることに注意するとyの値として、3,5,7がとれる。f(x)=ax+bとおいて、f(0)=3,f(1)=5,f(2)=7 からa=2,b=3 がでる。
 ∴f(x)=2x+3

(2)2次関数となるためには、yの増加率が異なっている3点を選べばよいのだから、これは易しい。但し、係数が整数であることに注意。増加率が2,4などと変化していくところに注意して、係数が整数であるから11,13,17ととってみる。
f(x)=ax2+bx+cとおいてc=11,a+b+11=13,4a+2b+11=17から、a=b=1,c=11がでる。
 ∴f(x)=x2+x+11  他にも17,19,23をyの値としてとる。f(x)=x2+x+17 などがある。
 他にも、いろいろ求められる、いずれも正解である。

(3)2が偶数なので (2,3,5,7) はありえない。3,5,7 のところの増加率も一定の2.(11,13,17,19)は、増加率が2,4,2となっているで、ありえない。こんな風に見ていくと、妥当なところは増加率が2,4,6となっている(41,43,47,53)だろうと見当がつくはずである。2年生では、y=x2 を微分すると y'=2x 、更に微分して y''=2 となることを思い出して欲しい。
   f(x)=ax2+bx+c とおいて、f(0)=41,f(1)=43,f(2)=47,f(3)=53 から
   c=41,a+b=2,2a+b=3
がでる。これを解いて、 a=b=1,c=41
 ∴f(x)=x2+x+41
  f(3)=9+3+41=53  題意は満たされている。f(5) はどうだろうか?
  f(5)=25+5+41=71  これも素数である。

 次の文章は、「フェルマ−の最終定理に挑戦」(富永裕久著、ナツメ社)からの抜粋です。是非一読をお薦めします。

『必ず素数を生み出す公式』

素数が無限に存在することや素数の分布など、素数についてはさまざまなことが古代から研究されている。しかし必ず素数を生み出す公式は、まだ発見されていない。  すべての素数をつくり、しかも素数以外はつくらない公式はもちろんのこと、モレはあっても素数の みを生み出す公式も見つかっていないのだ。

 素数のみを生み出す公式として予想されたのがフェルマ−数 であったが、n=5 であっけなく破綻してしまった。この間違いを発見したのはオイラ―だが、オイラ−自身、素数をかなりの確率で生み出す公式を発見している。
 P=n2+n+41 である。nに0から順に整数を代入してみればわかるが、
   41,43,47,53,61,71,83,97,113,131,151,173・・・
と素数がしばらくはどこまでも続く。ただし、それもn=39の1601まで。次のn=40では1681(=412)となってしまう。しかし1000万以下の素数のうち47.5%の素数を突き止めるという驚異的な式である。
 このほかに 4n2+170n+1847や 4n2+4n+59などが、かなりの確率で素数を生み出す式として知られている。
 しかし、冒頭で述べたように、素数のみを生み出す公式。そして、すべての素数をもれなくつくり、しかも素数以外はつくらない公式があるかどうかは謎である。

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