いきなりで恐縮ですが次の問題を考えてみてください。 【問題】ボクの年齢を3で割ると1余り、5で割ると2余ります。また、7で割ると3余ります。さて、ボクの年齢はいったい何歳でしょう? 答が出ましたか?すぐにあきらめないでまずは考えてくださいね。では解答です。 この問題は百五減算という方法で次のように求めることができます。 【式】70×1+21×2+15×3=157 157−105=52 【答え】52歳 正解できましたか?ところで解答を読んでどう思いましたか。きっと第2式で105を引いているのでこの方法を百五減算というのでしょう。色付きの数字は問題文で示されている余りの数を意味しているのだと思うのが自然でしょうね。ではその余りに掛けられている70,21,15はいったい何を意味しているのでしょうか?105はどこから出てきたのでしょうか? 北数教高校部会研究部代数解析研究会の月例研究会では高校の数学科教員が集まって, (1)現代数学の勉強会 (2)大学入試問題の検討 (3)北海道高等学校数学コンテストの企画・問題作成・採点・表彰 などの活動を行っています。 特に、(1)の「現代数学の勉強会」では現代数学に関する本を輪読し,その周辺の話題も含めて研究しています。これまではOB会員である関口隆先生を講師として石井俊全「ガロア理論の頂を踏む」(ベレ出版)をテキストに,ガロア理論の理解を最終目標として代数学の基本事項を学んできました。 さて、冒頭の問題の解答を読んで理解できたでしょうか。そして、どんなからくりがあってこのように計算すると答えが出るのでしょうか? 詳しいことは省略しますがこの考え方を発展させると代数学で有名なChinese Remainder Theorem に到達します。こんなクイズのような問題が現代数学の深遠な部分にもつながっていくなんてロマンを感じませんか。もちろん現代数学を学ぶということは難しいことも多いです。でも、少しずつ理解していくと喜びも増していくと思います。もし興味をもたれましたら代数解析研究会事務局までご連絡いただければ幸いです。 (文責:札幌静修高等学校 杉本 幸司)