〜「mathedu」における議論からA〜
●返信8 -----Original Message----- 差出人 : MIYATA Yoshiyuki <miyo@iname.com> 宛先 : mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp <mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp> 日時 : 1998年8月28日 23:03 件名 : [mathedu98-00345] Re: 絶対値のはいっ $?ITEy<0 -----BEGIN PGP SIGNED MESSAGE----- Akio Furukawa <fakio@seg.co.jp>、こんばんは。 みやた です。 1998年8月28日(金)午後8時1分 頃の、 【 [mathedu98-00343] 絶対値のはいっ$?ITEy<0 】 という題のメールへの返信です。 >単純に、 > |x-1| := max (x-1,1-x) >ですから、 > > |x-1|<c --(1) ⇔ max(x-1,1-x)<c > ⇔ x-1<c and 1-x<c --(2) > > > |x-1|>c --(3) ⇔ max(x-1,1-x)>c > ⇔ x-1>c or 1-x>c --(4) > >であり、上記の同値変形は、cの正負によらず正しいのは >いうまでもありません。 > > >> 拡張(1)ですが、Cが負の定数のときは >> 認めるかどうかではなく、不成立では >> ないでしょうか。 > >c<0 のときは、 (1) も (2) もともに、真理集合は 空集合 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ おおっと、そうですね。論点を何か勘違いしていたようです。個々の式の成否 ではなく、論理式全体の成否をみるわけですからね。 また、別便で安田さんが場合わけのケースを詳説していますが、そのとおりで す。小生の拙速でした。無用な論議をさせてしまいました。 みなさま、すみません。m(_ _)m みやた よしゆき (MIYATA Yoshiyuki) miyo@iname.com ///////////////////////////////////////////////////////////////////////// PGP Key fingerprint RSA:9C36 39FB 27ED C94A 627F 6D39 826A CE62 DSS:2F8E 9303 9F4B 66F5 50E4 A0B1 4A6F 80D3 5978 8BEA PGP public Key http://www.nettaxi.com/citizens/miyo/outbox/ ICQ# 12899095 -----BEGIN PGP SIGNATURE----- Version: 2.6.3ia Charset: noconv iQCVAwUBNea3ndhc5RDFhDc1AQGlTgP+JVIWQ2+UnI+nArkE33sqPzHD/boVyG5M k5Ofp8WrzS78w9f1Ch1yF9AIO1lGiRqbKzGHpRUSeHS5uOCDz8Omh1obsx8bv++D 8cTzXldcUORiahGRZH4Nlb2cUWAIwNmbcfXUDn46JjkywESaeSqQujfQDsuIbjGL I0BML9jEf2I= =byZe -----END PGP SIGNATURE----- ●返信9 -----Original Message----- 差出人 : fyasu@cocoa.ocn.ne.jp <fyasu@cocoa.ocn.ne.jp> 宛先 : mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp <mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp> 日時 : 1998年8月28日 23:29 件名 : [mathedu98-00346] Re: 自己訂正(稚内安田) 稚内の安田です。前の私の発言で、単なるミスですが不等号の向きを逆にしたところがあ りますので、訂正を自分で入れておきます。私のコメントを読まれた方は混乱されたのでは ないかと思います。申し訳ありません。 まず始めに、 −−−−−−−−−− MIYATA さん筆 −−−−−−−−−−− ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− の次の行から3行目に次の文があります。 >では、g(x)>0 では不十分で、g(x)<= とイコール付きの不等式にしないと ここで、“g(x)<= とイコール付き”というのは“g(x)>= とイコール付き”です。 また、同じタイプのミスですが −−−−−− 上に述べたことの根拠 −−−−−−−−−−− ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− の中の4行目 >をAとし、g(x)<=0 が成り立つ集合をBとし、実数全体をRとすると、 というところで、“g(x)<=0 ”は“g(x)>=0 ”でした。 ご面倒をおかけすることになってしまい申し訳ありませんでした。 8月28日 安田富久一 ●返信10 -----Original Message----- 差出人 : Ichiro FUKUSHIMA <nn66040@hongo.ecc.u-tokyo.ac.jp> 宛先 : mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp <mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp> 日時 : 1998年8月28日 23:38 件名 : [mathedu98-00347] Re: 絶対値のはいっ $?ITEy<0 「無用な論議」では決してないと思いますよ。 もともとの、どこで場合分けするか、というのは意見が分かれるところで、 わたしも気になっていたところです。 絶対値記号の外にある値を利用して同値変形するのは、わたしも好きです。 絶対値が原点からの距離を表すことを常に考えることは大事だと思っています。 そのうえ、||の中が2次式の時など、中身の正負でやると、無理数の大小比較を しなければならないケースがあり、やっていることが見えずにただただ機械的に 処理するだけになりがちなのではと思います。 ただ、わたしが教える際には、古川先生の書かれていた >> |x-1|<c --(1) ⇔ max(x-1,1-x)<c >> |x-1|>c --(3) ⇔ max(x-1,1-x)>c といったん書かずして次の行の >> ⇔ x-1<c and 1-x<c --(2) >> ⇔ x-1>c or 1-x>c --(4) へ進んでいました。「わからない」の原因はこれだったかも知れません。 このことを意識するだけで相当理解が違いますね。 また >>c<0 のときは、 (1) も (2) もともに、真理集合は 空集合 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ これを理解せずしてはきちんと解けたとは言えないでしょうから、 結局、「難しい」ことを避けてとりあえず「解けた」ことにするか、 仮に高度な内容を含むにしても、それを避けずに全体を理解しつつ解ける ことを目指すか、の違いのようにも思います。 集合と論理の内容は先に軽くでも押さえた方がいいのかな。 現在の数学Aは、教科書通りやると、単なる「技術」に終わってしまいがち だと思います。「こうやれば解ける」だけ、の教え方教わり方が、新課程では ますます増えているのではないでしょうか。 福 島 伊知郎 ichiro@ms.u-tokyo.ac.jp nn66040@hongo.ecc.u-tokyo.ac.jp 〒104-0051 東京都中央区佃 2-22-6 カーサ相生 B606 TEL[Direct] 030-40-09239 東京大学大学院 数理科学研究科数理科学専攻 修士課程 Graduate School of Mathematical Sciences , Univ. of Tokyo 桐蔭学園高等学校/大妻高等学校/中央区交響楽団 ●返信11 -----Original Message----- 差出人 : Masasi Sanae <cptoh@mue.biglobe.ne.jp> 宛先 : mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp <mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp> 日時 : 1998年8月29日 13:22 件名 : [mathedu98-00348] Re: 絶対値のはいった不等式 早苗@北数教・数実研です。 絶対値記号の入った不等式について いろいろとご意見をきかせて頂き有り難うございます。 特に安田先生のコメントはすっきりしていてわかりやすかったです。 さて,最初の疑問に戻るのですが (1)|x-1|<2x+3 (2)|x-1|≧2x+3 の解法で,(2)の解法を,直接 x-1≦-(2x+3),2x+3≦x-1 とやってしまうことの問題点ですが 場合わけを前提として和集合を取るのであれば (1)の解法で −(2x+3)≦x−1≦2x+3 と,直接解答してしまうことにも問題があるような気がします。 >これを理解せずしてはきちんと解けたとは言えないでしょうから、 >結局、「難しい」ことを避けてとりあえず「解けた」ことにするか、 >仮に高度な内容を含むにしても、それを避けずに全体を理解しつつ解ける >ことを目指すか、の違いのようにも思います。 > >集合と論理の内容は先に軽くでも押さえた方がいいのかな。 >現在の数学Aは、教科書通りやると、単なる「技術」に終わってしまいがち >だと思います。「こうやれば解ける」だけ、の教え方教わり方が、新課程では >>ますます増えているのではないでしょうか。 福島さんのコメントのように集合・論理的な配慮という側面から考えれば なおさら(1)(2)の解答の取り扱いの違いが疑問に残ります。 ******************************************* 北数教・数学教育実践研究会 運営委員 札幌稲北高校 早苗雅史 (suujitu@nikonet.or.jp) TEL 011-694-5033 FAX 011-694-5074 ネットワーク型教材データベース「数学のいずみ」 URL http://www.nikonet.or.jp/spring/ ******************************************* ●返信12 -----Original Message----- 差出人 : Chikaoka, Nobuyoshi <chikaoka@takanishi-hs.ed.pref.toyama.jp> 宛先 : mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp <mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp> 日時 : 1998年8月30日 20:04 件名 : [mathedu98-00350] Re: 絶対値のついた1次不等式 いつもご迷惑をおかけしている高岡西高校の近岡です。 以前,私は次のように書きました. >まず、Cが正の定数のとき、 >命題1 |x−1|<C である必要十分条件は −C<x−1<C >命題2 |x−1|>C である必要十分条件は X−1<−CまたはC<x−1 >が成り立つことは、周知の事実ですね。 いくつかの教科書や参考書では,これらの命題を |x−a|を数直線上の点P(x)と点A(a)の距離ととらえて, 説明しています.この説明では,Cが正の定数であることが前提です. でも,この命題をCが正定数に限らず,関数(負の値もとりうる)で あっても成り立つことの説明が十分なされている参考書は, 少ないのではないでしょうか. そこで問題になるのは, ・命題がCが関数(負の値もとりうる)の場合にも拡張できるのはなぜか 理解せぬまま解法だけ丸暗記する生徒が多いこと. であり,また,それに対して, ・教員は,どのような指導を行なえば良いか. (説明に要する時間はいつ確保するかも含めて考える必要あり) であると思います. # 命題 # (C>0のとき)「 |X|=C である必要十分条件は X=±C」 # も,勝手に拡張する生徒もいますが.これは別の問題?? ==== 追 記 ==== 最初のMasasi Sanae氏の”[mathedu98-00337] 絶対値のついた1次不等式” における問題提起についてですが,本校の1年生が使っている参考書 「チャート式 解法と演習 数学I+A」で調べると, チャート式> C>0のとき チャート式> |x|<C である必要十分条件は −C<x<C チャート式> |x|>C である必要十分条件は x<−CまたはC<x チャート式> は,x,Cが関数のときもなりたつ. と,説明抜きでさりげなく書いてありました. (すなわち,Cは関数でも構わないが,C>0の場合のみを考える.) この拡張命題のもとでは, ・問題 |x-1|<2x+3 の場合は,次の様に(無駄が多い)解答できる. 0≦|x-1|<2x+3より 2x+3>0 <=この行は省略不可? このとき(拡張命題より), -(2x+3)<x-1<2x+3(かつ2x+3>0) -(2x+3)<x-1より-2/3<x・・・(1) x-1<2x+3より-4<x・・・(2) 2x+3>0より-3/2<x・・・(3) <=この行も省略不可? (1)(2)(3)より -2/3<x ・問題 |x-1|>2x+3 の場合は,解答できない. となります. どうやら,私が前回書いた記事"[mathedu98-00339] Re:絶対値のついた1次不等式” は,ピントのずれたものだった様です.(皆さんごめんなさい.) # しかし,本記事も前半は,このピントずれ記事の発展版なのだよなあ. # 皆さんに迷惑をおかけしたのに,ぜんぜん懲りていない. −−−−−−−− 近岡 宣吉 Chikaoka, Nobuyoshi E-mail: chikaoka@takanishi-hs.ed.pref.toyama.jp 富山県立高岡西高等学校(数楽科) ●返信13 -----Original Message----- 差出人 : 宮口祐司 <miyaguti@wcsnet.or.jp> 宛先 : mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp <mathedu@peach.kjb.yamanashi.ac.jp> 日時 : 1998年8月30日 23:37 件名 : [mathedu98-00351] Re: 絶対値のついた 1次不等式 はじめまして。宮口祐司 と申します。皆さんの議論をいつもまぶしい思いで 拝見しております。 さて、今回の絶対値の議論で思うことがございますのでちょっと、おじゃまさせて 頂きます。ピントをはずしていたら,そっと聞き流して下さい。 Sun, 30 Aug 1998 19:58:03 +0900 の [mathedu98-00350] Re: 絶対値のついた1次不等式 に関するメールにお答えします。 > 最初のMasasi Sanae氏の”[mathedu98-00337] 絶対値のついた1次不等式” > における問題提起についてですが,本校の1年生が使っている参考書 > 「チャート式 解法と演習 数学I+A」で調べると, > チャート式> C>0のとき > チャート式> |x|<C である必要十分条件は −C<x<C …@ > チャート式> |x|>C である必要十分条件は x<−CまたはC<x …A > チャート式> は,x,Cが関数のときもなりたつ. > と,説明抜きでさりげなく書いてありました. > (すなわち,Cは関数でも構わないが,C>0の場合のみを考える.) @の不等式 |x|<C の解は C<0 のときは,明らかに,なし。 Aの不等式 |x|>C の解は C<0 のときは、明らかに,すべての実数。 チャートではこのような自明な場合は除外して考えているのではないでしょうか? また、@のC<0を具体的にしてみて、−(−2)<x<−2 は不等式を初学の人には ???でしょう。これもC>0のときのみにしている理由でしょう。 したがって、 > この拡張命題のもとでは, >・問題 |x-1|<2x+3 の場合は,次の様に(無駄が多い)解答できる. > 0≦|x-1|<2x+3より 2x+3>0 <=この行は省略不可? > このとき(拡張命題より), > -(2x+3)<x-1<2x+3(かつ2x+3>0) > -(2x+3)<x-1より-2/3x-1<2x+3より-4<x・・・(2) > 2x+3>0より-3/2<x・・・(3) <=この行も省略不可? > (1)(2)(3)より -2/3<x >・問題 |x-1|>2x+3 の場合は,解答できない. > となります. ふたつの場合のいずれでも,2x+3<0のときと、2x+3>0のときに分けて, 2x+3<0のときは自明な解により、 2x+3>0のときは上の命題によることもできるということでしょう。 もちろん、just0のときもありますが今は触れずにおきます。 また、|x-1|<2x+3 などに関して、私はx−1≧0のときと、x−1<0のときに 分けてするように指導しておきたいと思います。それは,|x-1|+|x-3|<2x+3 のようになったときに困らないためにです。 なお、|x|<C(C>0)のときは両辺共に正ですから,2乗しても大小関係は 変わらず、x^2<C^2,2次不等式を解いて、−C<x<C ですね。 チャートはこのあたりの将来性も考慮して特に述べているのかも知れないと思います。 でもC>0のときは両辺を2乗して片づく(絶対値の付かない式にできる)のなら、却って > チャート式> |x|<C である必要十分条件は −C<x<C …@ > チャート式> |x|>C である必要十分条件は x<−CまたはC<x …A がC<0のときにも成り立つというのが,意味を持っていると云えそうですね。 ここで、命題A⇒Bの真偽について、Aが偽かつBが偽のときはこの命題は真である ことをいいます。A⇒Bをこれと同値な論理式で表すと¬(A∧(¬B))です。 ここで、¬は「でない」、∧は「かつ」を意味します。 A,Bが共に偽なら、この論理式は真ですから、A⇒Bは真であると云えるでしょう。 不等式の解を求める問題では、このAの命題が真になるようなxの値の範囲を求める ことになるので、Aが真になるようなxの自明な範囲として、 > 0≦|x-1|<2x+3より 2x+3>0 <=この行は省略不可? のようにしているのでしょうが、命題の同値性を優先して考えるのなら 2x+3<0のときと、2x+3>0のときに分けて解くべきかと思います。 以上、思いつくまま,書きました。 ∩_∩ ∩_∩ 宮口 祐司 Email: miyaguti@wcsnet.or.jp ∩_∩ ∩_∩ ∩_∩ ∩_∩ HP-URL http://www.wcsnet.or.jp/~miyaguti ∩_∩ ∩_∩
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