瞬間速度を求める
前回求めた平均速度は、もちろんある時間のあいだの平均の速度であって、ちょうど1秒後、2秒後、3秒後・・・の瞬間の速度ではない。
そこで例えばちょうど3秒後の速度を考えるために、まずもっともっと時間の幅を小さくした平均速度を求めてみる。
問題 x秒後までの落下距離yが y=x2であらわされる斜面をころがる運動について、3秒後からの時間の幅を小さくした次の平均速度を求めなさい。
時間 x秒 | 3 3.001 3.01 3.1 |
---|---|
位置 ycm | 9 ( ) ( ) 9.61 |
3秒後から3.1秒後までの平均速度 =
3秒後から3.01秒後までの平均速度 =
3秒後から3.001秒までの平均速度 =
質問 時間の増分hをどんどん小さくしていけば平均速度はある値にどんどん近づいていく。このようにしていつかは瞬間速度が求められるだろうか。
あ 求められる
い 求められない
う 瞬間には運動していないので速度というものはない
3秒後から3.1秒後の平均速度・・・・・6.1m/秒
3秒後から3.01秒後の平均速度・・・・6.01m/秒
3秒後から3.001秒後の平均速度・・・6.001m/秒
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と、3秒後からの時間の幅をどんどん小さくしていけば、平均速度はどんどん6m/秒に近づいていく。そこで時間の増分をhとして、3秒後から3+h秒後までの平均の速度を求め、hの値を限りなく0に近づけることを考える。
問題 y=x2であらわされる斜面の落下運動について、3秒後から3+h秒後までの平均速度を求めなさい。
時間 x秒 | 3 3+h |
---|---|
位置 ycm | 9 |
このときhが限りなく0に近づくとき平均速度は限りなく 6m/秒に近づく。この値 6m/秒を、3秒後の瞬間速度と考える。
さらにこのような値をの極限値といい、記号limを用いて次のように表わす。
=6
練習 次の極限値を求めよ。
@ (h2−6h+7)=
A (h2−3)=
B (h2+5h−1)=