微分係数と導関数

 一般に、関数f(x)でxがaからa+hまで変わるときの平均変化率において、h→0のときの極限値 lim を関数f(x)のx=aにおける微分係数または変化率といい、記号f’(a)で表わす。


定義 一般に ある関数y=f(x)のx=aにおける微分係数
   f’(a)=


練習問題

  1. y=xで表わされる斜面の落下運動について、1秒後の瞬間速度(y=xのx=1における微分係数)を求めよ。

     時間   x秒     1     1+dx   
     距離   ym     1            

           

  2. y=xで表わされる斜面の落下運動について、2秒後の瞬間速度(y=xのx=2における微分係数)を求めよ。

     時間   x秒     2     2+dx   
     距離   ym     2            

  3. y=xで表わされる斜面の落下運動について、4秒後の瞬間速度(y=xのx=4における微分係数)を求めよ。

     時間   x秒     4     4+dx   
     距離   ym     4            

 このようにy=xの斜面の落下運動において、
    0秒後の瞬間速度 0m/秒
    1秒後の瞬間速度 2m/秒
    2秒後の瞬間速度 4m/秒
    3秒後の瞬間速度 6m/秒
    4秒後の瞬間速度 8m/秒
       ・・・・・・

となって、時間に速度が比例しているように思える。このことを確かめるために、一般にx秒後の瞬間速度を表わす式を求めてみよう。

問題 y=xで表わされる斜面の落下運動について、x秒後の瞬間速度を求めよ。

 時間   x秒     x     x+dx    
 距離   ym     x            



 x秒後の距離ymを表わすy=f(x)に対し、x秒後の速度を表わす関数を関数f(x)の導関数という。
  これをf′(x)とかy′とも表わす。

問題 y=xで表わされる斜面の落下運動について、x秒後の瞬間速度を表わす導関数y′=2x のグラフを書け

 A 5秒後、6秒後の瞬間速度を求めなさい


問題 地球上の自然落下運動では、x秒後の距離ymはおよそ y=5xで表わされる。このときのx秒後の瞬間速度y′m/秒 を表わす導関数を求めよ。

 時間   x秒     x     x+dx   
 距離   ym    5×2           

 A1秒後2秒後3秒後の瞬間速度を求めなさい。


問題 一般的に y=ax の導関数y′を求めなさい。

 時間   x秒     x     x+dx   
 距離   ym    ax           


公式1 関数 y=ax の導関数は
         y′=

練習問題 次の関数の導関数を求めよ。

 @ y=3x

 A y=4x

 B y=7x

 C y=4.9x