- はじめに
本校では平成4年度から,数学の授業でコンピュータを利用している。特に後ほど紹介する関数グラフソフトGRAPESを利用した授業を3年間続けてきたので報告したい。
- コンピュータを利用して授業を行う場合の留意点
- コンピュータにさせていることが分かっているか。
- 上滑りにならないように,考えられるプリント作成し,振り返られるようにする。
予測→確かめ(コンピュータ)→記録 - コンピュータを使うことで,学習の流れが変えられる。
→発見的学習につながる。 - コンピュータやソフトのメリット・デメリットについて触れる。
→コンピュータはここまで。だから証明したり,計算したりすることの必要性をアピールする。
→ソフトの信頼性
- コンピュータ利用の次のステップ
- 事象の考察
- 情報の検索,収集
- 仮説を実験によって検証
- 考えをまとめて発表(プレゼンテーション)
- 相互に作用し合う(インターラクティブ)
- 遊び心
- GRAPESとの出会い
授業で使用している関数グラフソフトGRAPESは,大阪教育大学付属高等学校池田校舎の友田勝久先生が作ったフリーウェアである。
そのソフトとの初めての出会いは,平成10年8月24日(月)〜8月28日(金),秋田県総合教育センターで開催された「平成10年度情報教育指導者講座(高等学校数学)」(文部省・秋田県教育委員会主催)においてある。それ以来,利用できる単元でGRAPESを利用して授業を行ってきた。
<使い勝手が良くなったGRAPESのデータパネル> - GRAPESの特徴
- インターネットでダウンロードできる。
- フロッピーディスク1枚に収まるサイズである。
- 再配布可なので,希望生徒に渡せる。
- Windows版,DOS版もあるフリーウェアであるので,多くの環境で使える。
- 高校の先生が作られた点で,ソフトの利用目的が理解しやすい。
- 陽関数,陰関数,極方程式など数式の入力が電卓感覚で簡単。
- パラメータを変化させることができ,グラフが対応する。
- 残像や不等式の表す領域も表示できる。
- グラフが簡単にコピー&ペーストできる,などである。
- コンピュータを利用してきた単元
現在まで利用してきた単元は,数学Tでは「2次関数」,数学Uでは「図形と式」,「三角関数」,数学Cでは「いろいろな曲線」である。今後の予定として,指数関数,対数関数,微分・積分でも利用を考えている。
基本的に生徒が式を入力し,パラメータを変化させることによってグラフの特徴などを発見してもらうことを主眼にしている。その後に,「何故だろうか」を座学で行っている。
GRAPESと出会ってから毎年公開授業を実施してきたので,学習指導案を提示しながら,反省や評価,生徒の感想などを報告する。
- 平成10年度 数学U「平面図形と式」(円と直線),対象・文U生徒
- 平成11年度 数学C「いろいろな曲線」,対象・理型生徒
- 平成12年度 数学U「平面図形と式」(不等式の表す領域),対象・文U生徒