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4.インターネット利用の問題点

4_1 不足している教育・学習情報

 インターネットを利用する場合における問題点も既に表面化しています。大阪教育大学の教育情報リンクリスト「インターネットと教育」の調査結果からいくつか探ってきましょう。
 現在インターネット上で不足している教育・学習情報を質問した結果が次の表です。特に目に付くのが,「教育実践事例報告」で38.5%で,この傾向は毎年変わっていません。「学習指導案・授業案」が29%でこれに続いています。現場の教師のニーズが教育実践事例報告や学習指導案・授業案など,実際の現場に直結するような情報にあるわけですが,まだそれが十分に供給されていないのが現状だといえます。

不足している教育・学習情報 (2項目選択,計200%で表示)
不足している教育・学習情報 高校 中学 小学 養護 合計
教育実践事例報告 124 76 104 17 8 329 38.5%
学習指導案・授業案 85 59 82 9 13 248 29.0%
教育用ソフトウェア 90 37 67 11 8 213 24.9%
電子図鑑・画像資料(素材) 57 35 90 7 10 199 23.3%
電子年鑑・統計資料(素材) 44 34 46 4 6 134 15.7%
電子教科書・参考書 61 23 32 3 3 123 14.4%
共同学習企画案内 39 24 39 3 1 106 12.4%
国内交流先紹介 34 16 35 7 5 97 11.4%
図書館・文献情報 39 14 15 6 3 77 9.0%
国際交流先紹介 32 15 16 1 5 69 8.1%
催し物・研究発表会 20 11 12 10 2 55 6.4%
その他 11 13 28 6 0 58 7.3%
合 計 636 358 566 84 64 1708 200%
「インターネットと教育利用の現状'99」大阪教育大学Webページより

4_2 情報受信時の問題点

 また,受信する場合(WWW教育情報を利用する場合)の問題点を質問した結果が次の表です。この中で注目すべきは,「役に立たない情報が多く有用な情報が埋没」(59.1%),「情報が一般向けで教育用でない」(47.1%),「必要な情報が存在しない」(22.5%)という点です。これらは先ほどの結果を更に裏付けている結果といえます。

情報受信時の問題点 (2項目選択,計200%で表示)
情報受信時の問題点 高校 中学 小学 養護 合計
必要な情報がノイズに埋没 182 104 170 24 25 505 59.1%
情報が教育用ではない 107 79 185 17 14 402 47.1%
必要な情報が存在しない 63 48 59 16 6 192 22.5%
情報の信頼性に不安がある 66 31 48 7 7 159 18.6%
有害な情報を遮断できない 75 40 38 1 3 157 18.4%
著作権で情報再利用が不可 77 25 35 7 7 151 17.7%
情報が外国語のままである 31 12 12 3 3 61 7.1%
その他 35 19 19 9 0 81 9.4%
合 計 636 358 566 84 64 1708 200%
「インターネットと教育利用の現状'99」大阪教育大学Webページより

《参考ページ》

4_3 情報の収集に伴う個人の責任

 インターネットの普及により,コンピュータで扱う様々な情報を用意に受信することができるようになりました。それに伴い著作権を初めとする知的所有権を侵す恐れもあることを認識しなくてはいけなくなりました。例えば前述したフリーウエアは作成者が無料で提供しているソフトウエアです。ただし,フリーとはいえ,再配布や改変,第2次使用について制限が設けられている場合があるので注意が必要です。
 また,ホームページに掲載された情報を活用する場合でも,私的な目的で保存するしたり印刷することはできます。しかし,授業の目的で保存した情報を加工・編集して印刷するという行為も,著作権の侵害になる場合もあるので注意が必要です。
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