3.日常的な意見交換 〜メーリングリストへの参加
3_1 メーリングリストとは
メーリングリストは,特定のトピックについての公共または私的な公開討論の場で,完全にそのメンバーの投稿だけからなるニュースや会報といったものです。メンバーは,独自のメッセージをメーリングリストに投稿したり,他のメンバーが投稿した記事を読むことができます。自分がある意見をメーリングリストに投稿すれば,自動的にメンバー全員にそのメッセージが送られます。
このような討論のリストつまりバーチャル・コンファレンス(仮想会議)が,考えられるあらゆるトピックに関して存在しています。自分が存在しているリストからは会報,定期刊行物,報告書などいろいろな情報が自分あてに電子メールで届けられるのです。一般に公開されているものもあれば,特定の組織や個人だけが利用できる非公開のものもあります。このようなメーリングリスト,つまり電子メールを元にしたメッセージセンターは,教育者にとっても情報を見つけたり共有するための優れた手段となります。
3_2 数学関係のメーリングリスト「mathedu」
数学関係のメーリングリストでは山梨大学教育学部の成田雅博先生が管理されている「算数・数学教育メーリングリストmatheedu」が有名です。'95年の9月から運用をはじめ,現在の会員数は400名を越えています。matheduでは数学に関する様々な話題やコンピュータを用いた授業に関する話題,研究会情報,数学に関するWebページの紹介など,色々な情報の交換がなされています。参加者も大学の先生や小中高の先生の他,学生や社会人など様々な方が参加されています。
《参考ページ》
3_3 メーリングリストのメリット・デメリット
こうしたメーリングリストのメリット,デメリットについて考えてみましょう。また,こうした点以外にもメーリングリストを利用する際のネチケットを考えることも重要です。
◎メリット
- 従来のメディアでは知り合うことのできなかった人達との交流
- 「時間や場所による制約」の解消
- 「地域依存」から「研究テーマ依存」の研究グループとしての可能性
- 定期的なコミュニケーションから日常的なコミュニケーションへ
- 自分の興味・関心のあるテーマにのみの関与
- 新たなテーマの創出
◎デメリット
- 希薄な人間関係
- テキストベースでの伝達の困難性
- 趣旨に沿わない情報の管理
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3_4 ネットワークで更に広がる数学教育の和
このようなメーリングリストでなくて,ただのメールを利用することでも日常的な意見交換や情報の収集というものが可能となります。ネットは地域の壁や時間的な制約なども取り払ってくれます。ネットは「人と人とのネットワーク」を作り上げてくれるのです。ネットワークの最大の利点はこの点にあるのではないでしょうか。